...私はいかにも物足らない存在として映るだろう...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...そこに行くとあまり融通のきかない監督では物足らない風で...
有島武郎 「親子」
...説明的であり理知的である小説や戲曲によつて自分を表現するのでは如何しても物足らない衷心の要求を持つてゐた...
有島武郎 「詩への逸脱」
...何うもこれでは物足らない...
田山録弥 「或新年の小説評」
...それでは何うしても物足らないやうに見える...
田山録弥 「静かな日」
...まだ物足らないところはいくらもある...
中里介山 「大菩薩峠」
...内容に立入ると物足らないこと夥(おびただ)しい――と白雲はようやくそれに気がつきました...
中里介山 「大菩薩峠」
...何か物足らないような風情(ふぜい)で...
中里介山 「大菩薩峠」
...夫(そ)れでもどうやら物足らない様に思つたが...
平出修 「二黒の巳」
...これをしないでは物足らない感じがする...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...却てそれが物足らないやうでもある...
水野仙子 「脱殼」
...いつも何か物足らない心持をおこさせる...
宮本百合子 「科学の常識のため」
...ただあまりに澄んだふうでいらっしゃるのが物足らないだけね」とも若い女房はささやいていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...名刺はこないだ仲町で拵(こしら)えさせたのがあるが、それを添えただけでは、物足らない...
森鴎外 「雁」
...その時ふと氣がつくと、彼女は自分が仕度をして待つてゐるのはその男一人のためであり、他の若い男達なら何人と一緒に居ようとも、そのお祝ひも、その舞踏も、物足らないで、何の愉しみもないやうであつた‥‥漸く彼は晴衣を着てやつて來た...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...ふと物足らないものを覚えて...
吉川英治 「新書太閤記」
...何となく物足らない気がしたのであろう...
吉川英治 「平の将門」
...行家はちと物足らない顔をした...
吉川英治 「源頼朝」
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