...「忘れたら思ひ出すまでそこに立つて居れ!」と云つて高村軍曹は眼をきよろ/\させて其処にかしこまつて腰掛けてゐる初年兵たちを物色する...
新井紀一 「怒れる高村軍曹」
...ぶらりぶらりと客を装いながら洋酒売場を物色するうちに...
海野十三 「暗号数字」
...買いたい女を物色する...
高見順 「いやな感じ」
...田舎者(いなかもの)が国へのみやげ物を物色するには最も便利な設備であった...
寺田寅彦 「銀座アルプス」
...その上にある樹林を物色することが出来る...
寺田寅彦 「さまよえるユダヤ人の手記より」
...その追憶の余勢は自然に昔へ昔へと遡って幼時の環境の中から馴染(なじみ)の顔を物色するようになる...
寺田寅彦 「重兵衛さんの一家」
...自分が他の種々の点で優れたと思う画家の中でも色彩の独創的な事において同君と比肩すべき人を物色するのは甚だ困難である...
寺田寅彦 「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」
...こんな気分の時にはここの書棚を物色する事がしばしばある...
寺田寅彦 「丸善と三越」
...方向を物色することは忘れて...
中里介山 「大菩薩峠」
...己の師と頼むべき人物を物色するに...
中島敦 「名人傳」
...五月雨(さみだれ)雲の間に見え隠れする白馬連峯を物色するうち...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...一人残らず物色する気で立った...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...平次は別段その中から人の顏を物色するでもなく...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...浅井金蔵谷祐八(金蔵字(あざなは)子文祐八字子哲徳山の臣なり)のことを物色するに...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...行きやすい隣の島を物色することは...
柳田国男 「海上の道」
...また次の客を物色する...
山本周五郎 「雪の上の霜」
...「だれだ? そう言うのは」声の主(ぬし)を物色すると...
吉川英治 「江戸三国志」
...それとなく伝公の姿を物色する程になっていたが...
吉川英治 「醤油仏」
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