...その手巾(ハンケチ)の閃きに応ずべき相手を物色するのに忙しかった...
芥川龍之介 「路上」
...「忘れたら思ひ出すまでそこに立つて居れ!」と云つて高村軍曹は眼をきよろ/\させて其処にかしこまつて腰掛けてゐる初年兵たちを物色する...
新井紀一 「怒れる高村軍曹」
...田舎者(いなかもの)が国へのみやげ物を物色するには最も便利な設備であった...
寺田寅彦 「銀座アルプス」
...別に物色するまでもなく例の夕刊嬢において見出されるのである...
寺田寅彦 「初冬の日記から」
...夕方浴後の涼風を求めて神田の街路をそぞろ歩きするたびにはこの「初恋」の少女の姿を物色する五十四歳の自分を発見して微笑する...
寺田寅彦 「青衣童女像」
...自分が他の種々の点で優れたと思う画家の中でも色彩の独創的な事において同君と比肩すべき人を物色するのは甚だ困難である...
寺田寅彦 「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」
...ただ L = 0 すなわちSKの面内に座する著名の大家を物色する事が困難である...
寺田寅彦 「ルクレチウスと科学」
...均平は無意識にその中から知った顔を物色するように...
徳田秋声 「縮図」
...己の師と頼むべき人物を物色するに...
中島敦 「名人傳」
...己(おのれ)の師と頼(たの)むべき人物を物色するに...
中島敦 「名人伝」
...目当ての偃松を物色すると...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...肝腎(かんじん)の駕籠(かご)が通る時にはどんな顔の人がいるのかまるで物色する事ができなかった...
夏目漱石 「文芸と道徳」
...彼は群衆のうちにあって直(すぐ)そういう人を物色する事の出来る眼を有っていた...
夏目漱石 「道草」
...帽も衣装(いしょう)もはっきり物色する事ができた...
夏目漱石 「門」
...平次は別段その中から人の顔を物色するでもなく...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...平次は別段その中から人の顏を物色するでもなく...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...行きやすい隣の島を物色することは...
柳田国男 「海上の道」
...それとなく伝公の姿を物色する程になっていたが...
吉川英治 「醤油仏」
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