...おゆるし下さるさうだなどといふ物欲しげなお気持から...
太宰治 「右大臣実朝」
...今日つらつら考えると私のような野暮で物欲しげで理窟(りくつ)っぽい男は...
太宰治 「新釈諸国噺」
...尋常ならば、その物欲しげな、ぽっかりとあいた口へ火が入って、待ってましたといわぬばかり、ぽっかりと明るくなる時分なのですが、自分の存在にさえ無頓着なこの室の主人が、行燈の存在などに、かまっていられるはずがありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...紋日々々には訳もなく銀座へ銀座へと押出して来る物欲しげな人波が...
久生十蘭 「魔都」
...物欲しげにじっと見ている...
フレデリック・ブウテ Frederic Boutet 森鴎外訳 「橋の下」
...外に物欲しげな人間が見ているのを...
フレデリック・ブウテ Frederic Boutet 森鴎外訳 「橋の下」
...店の扉にたむろする物欲しげな浮浪者の群れ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「玉手箱」
...寄生虫(諛(へつら)ふ如く、物欲しげに...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...物欲しげにくどくど仰ゃるのは可笑(おか)しいわ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...物欲しげな様子が...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...……なんで、朝廷の空名などを、物欲しげに」と、嘲侮をうかべ、「さるによ」と、やや怒ッた青すじを、額(ひたい)にみせた...
吉川英治 「私本太平記」
...――いくら家康が招いたからといって、この際、物欲しげに、岡崎までのこのこ出かけて行った彼の気持は、およそ面目とか個性とかの尊ばれていた天正人士のあいだでは、理解に苦しんだことだろう...
吉川英治 「新書太閤記」
...物欲しげに、うろうろいたしておると、承知せぬぞ」てれ隠しである...
吉川英治 「親鸞」
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