...罪悪の巷(ちまた)に物慾の毒酒を汲む人...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...「物慾を去る事は...
太宰治 「右大臣実朝」
...それはまた日本の人に限ったことでなく、人間性一般の大問題であろうと思いますが、今宵死ぬかも知れぬという事になったら、物慾も、色慾も綺麗に忘れてしまうのではないかしらとも考えられるのに、どうしてなかなかそのようなものでもないらしく、人間は命の袋小路に落ち込むと、笑い合わずに、むさぼりくらい合うものらしうございます...
太宰治 「貨幣」
...つね日頃より貴族の出(しゅつ)を誇れる傲縦(ごうしょう)のマダム、かの女の情夫のあられもない、一路物慾、マダムの丸い顔、望見するより早く、お金くれえ、お金くれえ、と一語は高く、一語は低く、日毎夜毎のお念仏...
太宰治 「創生記」
...物慾皆無にして、諸道具への愛着の念を断ち切り涼しく過し居れる人と、形はやや相似たれども、その心境の深浅の差は、まさに千尋なり...
太宰治 「花吹雪」
...物慾に恬淡(てんたん)だと思はせた鐵心道人が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...物慾の旺盛(わうせい)らしいのと...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...生涯を物慾に委(ゆだ)ね切つて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...物慾の旺盛らしい番頭の藤六も...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...物慾に陶醉(たうすゐ)しきつた人の魂は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...この物慾の旺盛らしい男に...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...物慾の追求に、五十何年の生涯を賭(か)けて、善きもの、美しきもの、優しいもの、正しいものに、一顧(こ)も與へなかつた小左衞門の死顏は、まさに邪惡そのものの模型を見るやうな凄まじいものだつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...物慾に眼のくらんだ...
野村胡堂 「呪の金剛石」
...ゆき子はつくづくと物慾の深い男心にいやらしいものを感じてゐた...
林芙美子 「浮雲」
...私は彼等の物慾を卑しむわけではなかつたが...
牧野信一 「バラルダ物語」
...一同の喧騒と物慾にくらんでいる目は...
吉川英治 「江戸三国志」
...彼女の物慾を満たす殿堂です...
吉川英治 「江戸三国志」
...物慾も大いにありますし...
吉川英治 「折々の記」
便利!手書き漢字入力検索