...それは物慾に捕われたる悪霊の為めに門戸を開くからで...
W・S・モーゼス William Stainton Moses 浅野和三郎訳 「霊訓」
...物慾ではむろんない...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...それはまた日本の人に限ったことでなく、人間性一般の大問題であろうと思いますが、今宵死ぬかも知れぬという事になったら、物慾も、色慾も綺麗に忘れてしまうのではないかしらとも考えられるのに、どうしてなかなかそのようなものでもないらしく、人間は命の袋小路に落ち込むと、笑い合わずに、むさぼりくらい合うものらしうございます...
太宰治 「貨幣」
...つね日頃より貴族の出(しゅつ)を誇れる傲縦(ごうしょう)のマダム、かの女の情夫のあられもない、一路物慾、マダムの丸い顔、望見するより早く、お金くれえ、お金くれえ、と一語は高く、一語は低く、日毎夜毎のお念仏...
太宰治 「創生記」
...もろもろの物慾が出て来て...
太宰治 「葉桜と魔笛」
...私は、そう信じて安心しておりたいのでございますけれども、どうも、年とって来ると、物慾が起り、信仰も薄らいでまいって、いけないと存じます...
太宰治 「葉桜と魔笛」
...物慾の中に血を沸かして生きている人々が...
中里介山 「大菩薩峠」
...物慾に恬淡(てんたん)だと思はせた鐵心道人が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...物慾の旺盛(わうせい)らしいのと...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...生涯を物慾に委(ゆだ)ね切つて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...物慾に陶醉(たうすゐ)しきつた人の魂は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...物慾が旺(さか)んで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...恐らく物慾と女漁(をんなあさ)り以外は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...物慾に眼のくらんだ...
野村胡堂 「呪の金剛石」
...私は彼等の物慾を卑しむわけではなかつたが...
牧野信一 「バラルダ物語」
...彼女は男の物慾を試すやうな強い眼色をあらはして言つた...
室生犀星 「はるあはれ」
...打算と物慾の発生地である...
矢内原忠雄 「読書と著書」
...一同の喧騒と物慾にくらんでいる目は...
吉川英治 「江戸三国志」
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