...それは物慾に捕われたる悪霊の為めに門戸を開くからで...
W・S・モーゼス William Stainton Moses 浅野和三郎訳 「霊訓」
...罪悪の巷(ちまた)に物慾の毒酒を汲む人...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...それはまた日本の人に限ったことでなく、人間性一般の大問題であろうと思いますが、今宵死ぬかも知れぬという事になったら、物慾も、色慾も綺麗に忘れてしまうのではないかしらとも考えられるのに、どうしてなかなかそのようなものでもないらしく、人間は命の袋小路に落ち込むと、笑い合わずに、むさぼりくらい合うものらしうございます...
太宰治 「貨幣」
...物慾の中に血を沸かして生きている人々が...
中里介山 「大菩薩峠」
...物慾に恬淡(てんたん)だと思はせた鐵心道人が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...生涯を物慾に委(ゆだ)ね切つて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...時計を盜んだのは單なる物慾と見る外はないのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...物慾の旺盛らしい青黒いノツポです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...物慾に陶醉(たうすゐ)しきつた人の魂は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...物慾が旺(さか)んで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...物慾の追求に、五十何年の生涯を賭(か)けて、善きもの、美しきもの、優しいもの、正しいものに、一顧(こ)も與へなかつた小左衞門の死顏は、まさに邪惡そのものの模型を見るやうな凄まじいものだつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...物慾に眼のくらんだ...
野村胡堂 「呪の金剛石」
...ゆき子はつくづくと物慾の深い男心にいやらしいものを感じてゐた...
林芙美子 「浮雲」
...私は彼等の物慾を卑しむわけではなかつたが...
牧野信一 「バラルダ物語」
...それから「物慾」とか「情慾」とかそういう傾向の...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...打算と物慾の発生地である...
矢内原忠雄 「読書と著書」
...一同の喧騒と物慾にくらんでいる目は...
吉川英治 「江戸三国志」
...物慾も大いにありますし...
吉川英治 「折々の記」
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