...悲しいといふ程でもなく物悲しい...
鈴木三重吉 「赤い鳥」
...さうなれば何(ど)んなに物悲しい自分になるだらうと思ふのである...
鈴木三重吉 「赤い鳥」
...物悲しい壮(さか)んな歌声が湧き起った...
チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「女房ども」
...物悲しい歌声は、自由な生活への憧れをそそり立てた...
チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「女房ども」
...こんな古びた家の物悲しい陰の中に居てさえも...
R.W. チェンバース R.W. Chambers The Creative CAT 訳 「四風の街」
...またことに夢想家らを最も物悲しい思いに沈ませる夕方など...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...前に来た時には、日中であったに拘(かかわ)らず、しかもお城の真下であったに拘らず、悪い折助のために酷い目に遭ったことを思い出して、ついにこの夜更けにこの淋しい道を、どうして自分がここまで来て、無事にここに立っていられるのかをさえ思い出されて、ぞっと怖ろしさに身をふるわすと、例の物悲しい、いじらしい子供の泣き声であります...
中里介山 「大菩薩峠」
...優しく物悲しい表現である...
野村胡堂 「楽聖物語」
...一と晩だけは其儘にして置いてくれ」お雪の物悲しい瞳に引摺(ひきず)られるやうに...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...八杯とは代えられない」物悲しい夕方でした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...どんな一つの物悲しい言葉が聽えてくるか――一つの怪奇な木偶(にんぎやう)の靈魂は...
萩原朔太郎 「宿命」
...不思議な物悲しい郵便局よ...
萩原朔太郎 「宿命」
...その上に腰をかけて編物をしてゐる娘もなく煖爐に坐る黒猫の姿も見えない白いがらんどうの家の中で私は物悲しい夢を見ながら古風な柱時計のほどけて行く錆びたぜんまいの響を聽いた...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...物悲しい青みをふくませているからであった...
室生犀星 「津の国人」
...秋というものは静かに物悲しいものだ...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...物悲しい夕方になると...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...この時彼女は物悲しい荒地を窓から眺めやつた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...堂のなかは物悲しいほどにガランとしていた...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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