...悲しいといふ程でもなく物悲しい...
鈴木三重吉 「赤い鳥」
...今夜は物悲しい音と聞かれるのは...
高見順 「いやな感じ」
...物悲しい歌をうたふ! さうだ...
ボードレール 富永太郎訳 「計画」
...そしてそれは美しいとともにまた物悲しい...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...どこからともなくその物悲しい子供の泣き声を聞いた時にはじめて...
中里介山 「大菩薩峠」
...「お嬢さん、千鳥の笛を吹いてみましょうか、千鳥の笛をね」茂太郎は、兵部の娘のひがみをよそにして、蘆管(ろかん)を火にかざしてあぶり、おもむろに唇頭へあてがって、「まず大雀(おおじゃく)を吹いてみましょうか」千鳥を吹くというから、「しおの山」でも吹くのかと思うと、そうではなく、単調な、物悲しい、尻上りになって内へ引込む連音を吹いて、「次は中雀(ちゅうじゃく)」これもほぼ同じような、単調な連音...
中里介山 「大菩薩峠」
...物悲しいほどの寂しさに滅入(めい)つてゐた裕佐は...
長與善郎 「青銅の基督」
...世にも物悲しい女の泣き声が...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...どう考へたつてその男の外にはねエ」佐吉は憤々(ぷん/\)として作松の物悲しい顏を指すのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一と晩だけはそのままにしておいてくれ」お雪の物悲しい瞳に引摺(ひきず)られるように...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...隠し切れない物悲しい調子がありました...
野村胡堂 「葬送行進曲」
...物悲しい眼を一パイに見開いて...
野村胡堂 「流行作家の死」
...又ともすれば退屈で物悲しい浮世の旅にうようよと群がっている...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...どうしても逃れる事の出来ない運命に囚(とら)われてしまったような物悲しい気持になってしまったのでした...
夢野久作 「少女地獄」
...黎明の物悲しい霧が立ちはじめた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...物悲しい夕方になると...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...あわれな汽船は其処に入りながら寧ろ物悲しい汽笛を長々と鳴らし始めた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...堂のなかは物悲しいほどにガランとしていた...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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