...「ビイル!」物売りはさすがに驚いたように保吉の顔へ目を注(そそ)いだ...
芥川龍之介 「十円札」
...忌(いま)いましい物売りを一蹴(いっしゅう)したのはハヴァナを吸ったのよりも愉快である...
芥川龍之介 「十円札」
...街には物売りや客が群れている...
梅崎春生 「狂い凧」
...こんどこそはと決心して、物売りに化け、彼の船室に入り込んだのです...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「鉄の処女」
...オデッサの市場の物売り女やら...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...桟橋(さんばし)にはいろいろの物売りが出ている...
寺田寅彦 「旅日記から(明治四十二年)」
...車夫や物売りの相貌(かほつき)も非常に柔和であつて...
永井荷風 「海洋の旅」
...お雪のいない時に物売りに来たなまめいた女です...
中里介山 「大菩薩峠」
...物売りの男を見るたびに...
林芙美子 「新版 放浪記」
...私はいったい何処へ行くのかしら……駅々の物売りの声を聞くたびに...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...物売り、露店なども出るという繁昌ぶり...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...○同じく物売りの屋台を見てこんなものでも実に面白いところがあるなあ...
柳宗悦 「台湾の民藝について」
...カラカラと明け方の街道をとおる野菜車(やさいぐるま)、どこか裏の方で、もう仕事をはじめたらしい機屋(はたや)の筬(おさ)のひびき、物売りの呼び声、井戸つるべの音...
吉川英治 「江戸三国志」
...或いは物売り或いは旅人...
吉川英治 「江戸三国志」
...物売り船や荷足船(にたり)が絶えず上下しているので...
吉川英治 「魚紋」
...往来の物売りや旅芸人などまで...
吉川英治 「三国志」
...わけてこの川尻と、唐人町の河岸すじは、便船に乗る旅客だの、商人の荷駄だの、物売り女だのと、往来が繁(はげ)しかった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...下甲板の新嘉坡(シンガポール)へ行く印度の行商人相手の物売りが上陸してしまうと汽笛が垂直に空から落下傘となって人々のうえに舞いおりる...
吉行エイスケ 「孟買挿話」
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