...自然と物凄い叫喚の聲が傳はつて來るかと疑ふ程...
芥川龍之介 「地獄變」
...嘗て聞いた事のない不可解な、物凄い、奇異な言葉で山が語る...
有島武郎 「幻想」
...然し其顔の物凄い事...
石川啄木 「雲は天才である」
...あらたかな御像という物凄いほどの力がその超越的な写実性から来る...
高村光太郎 「美の日本的源泉」
...この物凄いほどの深夜の寂寞(せきばく)を瞶(みつ)めたまま...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...物凄い土地なのか...
谷崎潤一郎 「二人の稚児」
...大粒の雨が断続して物凄い天候であった...
寺田寅彦 「マーカス・ショーとレビュー式教育」
...その場を見ると物凄い眼つきで湯殿(ゆどの)の方を睨(にら)みながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...あの中に投り込めば、俺もお前も、この物置も、木端微塵(こつぱみぢん)に吹き飛ばされた上、百樽の毒藥は、神田上水の大樋(おほどひ)の中に流れ込むぞ――」「――」寸毫(すんがう)の隙もない相手の氣組と、その物凄い顏色、わけても思ひもよらぬ言葉に、さすがの平次も驚きました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...物凄いほど鮮(あざ)やかな手際です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...焔(ほのほ)に腰を包んだやうな、物凄い裸體、流れた毛を持ち扱ひ兼ねた姿で、そつと雨戸に拳を當てるのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...焔に腰を包んだような、物凄い裸体、流れた毛を持ち扱い兼ねた姿で、そっと雨戸に拳を当てるのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「あれは何といふ物凄い力なのだらう」と...
原民喜 「氷花」
...賛同の返事などは虎が吠えるかのやうに物凄いのだ...
牧野信一 「円卓子での話」
...その皮膚は素焼の陶器のように、全く光沢(ひかり)を失って、物凄い、冷たい眼の光りばかりがハタハタと女を射た……...
夢野久作 「暗黒公使」
...腕を組んだまま物凄い冷笑を浮かべて等々力久蔵の後姿を見送り...
夢野久作 「二重心臓」
...物凄い咆哮(ほうこう)と血風を喚(よ)び起していた...
吉川英治 「新書太閤記」
...胸部に物凄いほど大きな傷が鮮血に染(そま)って現われた...
モーリス・ルプラン 菊池寛訳 「奇巌城」
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