...それは物の道理も自らよく解り理屈を云ふ事も出来る人間に対してのみ云へる事ではなからうかと私は思ひます...
伊藤野枝 「ある女の裁判」
...どうかハヤ御勘弁を……いえこれは御客人が物の道理の好くお了解(わかり)の方と存じまして...
江見水蔭 「備前天一坊」
...物の道理が判りません」「うん」権兵衛は眼をつむっていた...
田中貢太郎 「海神に祈る」
...物の道理に合わない……」彼は言い切った...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...物の道理を踏みにじることだ...
豊島与志雄 「憑きもの」
...物の道理の分りそうな分別くさい顔をしながら...
豊島与志雄 「林檎」
...お前さんだって確かに物の道理はわかってるはずだ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...物の道理を言って聞かせてもわからねえ野郎だ」拳を取られながら金助は...
中里介山 「大菩薩峠」
...必ず味噌をするべきわけのものではないという物の道理と...
中里介山 「大菩薩峠」
...此は少し物の道理を辨へたものゝ知らぬ筈はない所である...
長塚節 「開業醫」
...物の道理は物の道理だぜ――...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...追つ拂つて貰ふわけには行かないものかと――」「もう澤山だよ」「物の道理を言ひ聞かせるなり...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...物の道理のよくわかつた主人だつたさうで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...物の道理もわからないのが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...わけても入り山形の二つ星とか、晝三(ひるさん)の太夫とか申すのは、大名高家のお相手もいたします」「――」「現に私は、江戸の吉原の向うを張つて、お城の裏鬼門(うらきもん)に、目黒の盛り場を開かうとして居るくらゐで、せめて伜が、青表紙(あをべうし)の化物のやうになる代りに、物の道理や、遊びのいきさつまで心得て、私の相談相手になつて欲しいと望んで居ります」斯うまで歪(ゆが)められた人生觀は、平次の舌では、一朝一夕にどうすることも出來ません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...勇さんだからとて彼(あ)の通り物の道理を心得た...
樋口一葉 「十三夜」
...物の道理はそうであろうが...
久生十蘭 「白雪姫」
...ヨーロッパ人は物の道理などを考える前にすでにキリスト教徒となっているのであるが...
和辻哲郎 「鎖国」
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