...物すごいほど冴(さ)えきって見える女盛りの葉子の惑力に...
有島武郎 「或る女」
...ぱーッと物すごい土煙(つちけむり)があがった...
海野十三 「超人間X号」
...赤い泥の沸々(ふつふつ)と煮え立っている光景は相変らず物すごい...
高浜虚子 「別府温泉」
...夫婦喧嘩をして怒(いか)った女が飛び込んだのが死骸もとめずにただ髪だけが残ったというのは物すごい物語りだ...
高浜虚子 「別府温泉」
...恐ろしいような物すごいような心持ちに襲われたのであった...
寺田寅彦 「柿の種」
...しかも物すごいうなり声を立てて飛んで行くのが縁側の障子のガラス越しにあざやかに見えた...
寺田寅彦 「柿の種」
...そのホヤのガラスの一片を前歯で噛み折りそれをくちびるの間に含んで前につき出し両手を広げて目をむき出し物すごいみえをきった...
寺田寅彦 「柿の種」
...そのあとで岩のくずれ落ちるような物すごい物音がしばらく持続して鳴り響くのを聞いたそうである...
寺田寅彦 「小爆発二件」
...そのような平和な景色のかたわらには切り立った懸崖が物すごいような地層のしわを露出してにらんでいたりする...
寺田寅彦 「旅日記から(明治四十二年)」
...むしろ恐ろしいような物すごいような気がするばかりで...
寺田寅彦 「笑い」
...暖炉の煙筒の影が住んでる物すごい庭のことを彼女はおもしろがった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...公園外の低い人家の屋根を越して西の大空一帯に濃い紺色の夕雲が物すごい壁のように棚曳(たなび)き...
永井荷風 「深川の唄」
...やがてニッと物すごい笑い方をして...
中里介山 「大菩薩峠」
...オーイオーイと呼びかけて決闘を挑(いど)むという物すごいのも現われず...
中里介山 「大菩薩峠」
...物すごい表情に怖れもせず...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...福井県三方(みかた)郡山東村阪尻)それよりも更に物すごい話が...
柳田國男 「日本の伝説」
...物すごい出来事の記憶がアリアリと浮かみ現われ初めた……と見るうちに...
夢野久作 「一足お先に」
...ドレちょっと一パイ水でも呑んで来ようか」と云ううちに立上った和尚の物すごい眼尻に引かえて...
夢野久作 「名娼満月」
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