...潮風を恐るゝ庭の牡丹かなこれも鎌倉の実情であります...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...牡丹燈籠を読んだ者の神経に何時(いつ)までも遺(のこ)っていて消えない...
田中貢太郎 「牡丹燈籠 牡丹燈記」
...牡鹿山(おじかやま)の城攻めの後に「病死」をした薬師寺弾正政高の女(むすめ)で...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...されど牡鹿山の城中弓矢取りては耻かしからぬ武士共罷在(まかりあり)候へ共...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...きのふは風けふは雪あすも歩かう・ふるさとの山なみ見える雪ふる・さみしい風が歩かせる・このさみしさや遠山の雪・山ふかくなり大きい雪がふつてきた酢牡蠣で一杯...
種田山頭火 「行乞記」
...多数の牡獅子(おじし)と...
中里介山 「大菩薩峠」
...牡馬二頭立の豪奢な車を駆って宴に赴いた...
中島敦 「盈虚」
...何時迄も鷹や牡牛の話では聽衆が満足しなくなつて來たからである...
中島敦 「狐憑」
...お下屋敷の牡丹畠にはおくれ咲の牡丹がところ/\に植ゑてある...
正岡子規 「蝶」
...なれすぎた鮓をあるじの遺恨かな牡丹ある寺行き過ぎし恨(うらみ)かな葛(くず)を得て清水に遠き恨かな「恨かな」というも漢詩より来たりしものならん...
正岡子規 「俳人蕪村」
......
松本たかし 「松本たかし句集」
...然るに試験して見ると、汽缶は十二分に沸き立ちながら、鉄管へは熱湯少しも通ぜず、夜通し焚いても依然温度上らず、こんな筈ではなかったがと、汽缶職工を責めて幾度改良しても、最初の設計を誤ったため結局大失敗、そのうち春も三月となってもう温室も間に合わず、それでも牡丹、藤、海棠など収容し、炭団(たどん)の火で温度を保ち、四月はじめにぽつぽつ咲いたのがせめてもの腹癒せ...
山本笑月 「明治世相百話」
...牡鹿は、その牙をもつた危険なものに背を向けて行つてしまうこともできず、遣りかたもない憤激にかられた...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...我は狂ほしき眩暈(めまひ)の中にそを受けぬ、そを吸ひぬ、※(あつ)き、※(あつ)きヒユウマニズムの唇、牡丹(ぼたん)...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...独り牡丹畑(ぼたんばたけ)の牡丹を見ておる...
吉川英治 「新書太閤記」
...黒々と牡丹の叢咲(むらざ)きしている前に...
吉川英治 「新書太閤記」
...横山の名馬と評判のたかい牡馬(おすうま)のタネを...
吉川英治 「平の将門」
...牡丹色の武者羽織が立ちどまった所から...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索