...仕方なしに牛太郎と一緒におやぢのとこさ行つたらお袋が危篤で俺らこと捜しぬいてるところだつた...
有島武郎 「骨」
...吉原遊廓の牛太郎の女房が二人ゐて...
武田麟太郎 「日本三文オペラ」
...聞耳を立ててゐたヒステリーの牛太郎の女房が...
武田麟太郎 「日本三文オペラ」
...隣の部屋できいてゐた牛太郎の女房も驚いた...
武田麟太郎 「日本三文オペラ」
...日本の大きい山椒魚は、これは世界中でたいへん名高いものだそうでございまして、私が最近、石川千代松博士の著書などで研究いたしましたところに依(よ)れば、いまから二百年ばかり前に独逸(ドイツ)の南の方で、これまで見た事も無い奇妙な形の化石が出まして、或るそそっかしい学者が、これこそは人間の骨だ、人間は昔、こんな醜い姿をして這(は)って歩いていたのだ、恥を知れ、などと言って学界の紳士たちをおどかしたので、その石は大変有名になりまして、貴婦人はこれを憎み、醜男は喝采(かっさい)し、宗教家は狼狽(ろうばい)し、牛太郎は肯定し、捨てて置かれぬ一大社会問題にさえなりかけて来ましたので、当時の学界の権威たちが打ち寄り研究の結果、安心せよ、これは人間の骨ではない、しかしなんだかわからない、亜米利加(アメリカ)の谷川に棲(す)むサンショウウオという小動物に形がよく似ているが、けれども、亜米利加にいるそのサンショウウオは、こんなに大きくはない、両者の間には、その大きさに於いて馬と兎くらいの相違がある...
太宰治 「黄村先生言行録」
...牛太郎だけがそれを言う...
太宰治 「斜陽」
...とれいの牛太郎がせせら笑って言うかも知れません...
太宰治 「斜陽」
...牛太郎(ぎゆうたらう)にでもなれ」「相濟みません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...宿場(しゅくば)の牛太郎(ぎゅうたろう)までしやがったことわすれてやがる...
長谷川時雨 「鉄くそぶとり」
...「お望みは……」牛太郎(ぎゅうたろう)のような番頭にきかれて...
林芙美子 「新版 放浪記」
...裏町の黄色い空にのこぎりの目立ての音がしている売春の町にほのめく桜 二月の桜水族館の水に浮く金魚色の女の写真牛太郎が蒲団を乾しているはるばると思いをめぐらした薄陽に二階の窓々に鏡が光る...
林芙美子 「新版 放浪記」
...」牛太郎のような番頭に...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...「やあ、牛よ、牛よ、牛太郎君...
原民喜 「牛を調弄ふ男」
...両側の店の牛太郎は互ひに道の中央以上に進みいでて遊客を拉することができないやうに掟されてあつたことや...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...どうやら牛太郎が廃され...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...吉原のチョンチョン格子の牛太郎(ぎゅうたろう)にまでなったこともあるんだ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...感化院を出がけに兄貴分から注意されて来た牛太郎(ぎゅうたろう)という女郎屋の改札掛(がかり)はコイツらしい...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...襟首を掴んでいる牛太郎の手の甲をモリモリと噛み千切(ちぎ)りざま...
夢野久作 「超人鬚野博士」
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