...あの牛飼いの若者がたった一人住んでいる...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...予は遂(つい)に一口を試むるの勇気もなかった十四日暖かであるから出産牛のあと消毒を行わせた...
伊藤左千夫 「牛舎の日記」
...腐つた下の帶に乳鑵二箇を負ひ三箇のバケツを片手に捧げ片手に牛を牽いてる...
伊藤左千夫 「水害雜録」
...呑牛は目を一度ぱちくりさせて...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...マスクを牛に被せた...
海野十三 「火星探険」
...みんないこう」牛丸平太郎を先頭に立てて...
海野十三 「少年探偵長」
...これがみんな今に一頭の牛に対して必然的関係を生じてくるんだから...
谷譲次 「踊る地平線」
...特牛(コツトイ)港...
種田山頭火 「行乞記」
...平凡な牛乳びんに二本のポインセチアが無雑作(むぞうさ)に突きさしてあるだけである...
寺田寅彦 「病室の花」
...不完全な牛乳は最も危険だそうだった...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...天竺国雪山(てんじくこくせつざん)の白牛というのを放ったことがある...
中里介山 「大菩薩峠」
...あの牝牛のやうに健康で...
萩原朔太郎 「悲しき決鬪」
...嫂はせつせと村の小路を走り廻つて氷や牛乳や卵を求め看護しつづけた...
原民喜 「星のわななき」
...ペール島のイギリス人やイスパニア人は、土人を妻にして、牛、山羊、鶏などを飼い、山の芋をつくり、珊瑚を採り、甘蔗から絞ったラムという強い酒を飲み、天産(てんさん)に満ち足りて、太古の民のような悠々たる歳月を送っているふうである...
久生十蘭 「ボニン島物語」
...牛屋の主人の顏役といふのが仲に立つた以上...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...中には證牛と云ふ僧に世話を頼んである...
森鴎外 「壽阿彌の手紙」
...ちょうど牛込見付(うしごめみつけ)と飯田橋(いいだばし)とのあいだを...
柳田国男 「母の手毬歌」
...これでは、いくらお迎えに参っても、分るはずはございませぬ」「いや、西洞院(にしのとういん)から東の大路(おおじ)は、なにやら、六波羅に異変があって、往来を止めてあるとのことで……」と、送ってきた従者が答えると、性善坊は、不審な顔をして、「はて、あの大路は、つい先ほども幾たびとなく、師の房を探すために往還(ゆきかえ)りしたが、なにも、さような気配はなかった」「でも、明らかに、役人が辻に立っていて、そう申すので、やむなく、並木からこの畷(なわて)へ出てきたが、馴れぬ道とて、いっこう分らず、困(こう)じ果てていたところ、お弟子衆が見えられて、ほっといたした」「ご苦労でござった」と、覚明も共に、礼を述べて、「これから先は、吾々両名でお供して帰院いたすほどに、どうぞ、お引取りねがいたい」「では、牛車(くるま)はそのまま召されて」「明日、ご返上申します」「いや、雑色(ぞうしき)をつかわして、戴きに参らせる、それでは、お気をつけて」送ってきた鎌倉者の侍たちは、牛飼も連れて、そこから戻ってしまった...
吉川英治 「親鸞」
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