...感情の片鱗も認められなかった...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...この話には見せかけの僥倖といったようなものは片鱗もない...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...今は巨大産業の片鱗もなく...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...数時間前は全くもめ事の片鱗もなかった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...日本の監獄が治安維持法の政治犯と云っても非転向の共産主義者をどう扱ったかという歴史的事実の片鱗も描き出されている...
宮本百合子 「解説(『風知草』)」
...どこからもその片鱗も夢みることさえ出来なくって...
横光利一 「旅愁」
...菊池さんの片鱗もつたへてゐるものではない...
吉川英治 「折々の記」
...ほとんどなんら義貞らしい片鱗もみせてはいない...
吉川英治 「私本太平記」
...いまでは深くつつんでいる過去のそうした時代の物欲の夜叉(やしゃ)だった片鱗も...
吉川英治 「平の将門」
...武蔵という人間の片鱗もない戯作には私とて不満であるし...
吉川英治 「宮本武蔵」
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