...片方の手をあたりに憚るようにソッと振って見せた...
海野十三 「深夜の市長」
...片方の手にも、拔けたのを溜めて持つてゐる...
鈴木三重吉 「金魚」
...今度は片方の手に一輪の真紅な花を提げてゐた...
津村信夫 「挿頭花」
...幽霊の片方の手と一団の大きな黒衣の塊の外に何物をも見ることが出来ないのに...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...片方の手をその腕に押しつけていた...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...そして片方の手を開いて...
三上於菟吉訳 大久保ゆう改訳 「踊る人形」
...その向うには、残忍な、いかつい顔をした、赤髭の若い男が、ゲートルを巻いた脚を開いて突っ立ち、片方の肱は腰に曲げ、片方の手には、猟用の鞭を振り上げて、あたかも勝ちほこった馬鹿大将みたいに、意気軒昂としていた...
コナン・ドイル 三上於莵吉訳 「自転車嬢の危難」
...片方の手を自分のポケットに突込んだかと思うと...
中島敦 「虎狩」
...自分で片方の手綱をにぎって...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...片方の手では、タオルや英語の辞書や、シャツなどをごつちやにつめ込んだバスケットを押へ、もう一方の手では、切符をしつかりと握りしめてゐた...
北條民雄 「青年」
...片方の手でガラスの外から糸を引くやうな真似をするのは...
正岡子規 「病牀六尺」
...片方の手を上着の折返しのところにあてたまま...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「小フリイデマン氏」
...この釵です」彼女は片方の手を見せた...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...片方の手で濡れた頬を擦りながら...
山本周五郎 「嘘アつかねえ」
...万三郎が片方の手で髪を撫(な)でると...
山本周五郎 「風流太平記」
...片方の手で膝を撫(な)でた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...片方の手で静かに...
山本周五郎 「山彦乙女」
...よくもよくもこの永い間俺に恥をかかせおったナ」こうした声が響き渡るうちにお父様は片方の手を私の頭から離されましたので...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
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