...独楽(こま)を廻す片手間に...
泉鏡花 「歌行燈」
...また折々は台所で煮物の片手間にまで...
伊藤野枝 「乞食の名誉」
...義雄が樺太にゐる片手間にやらうと云ふ相談になつてゐる...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...生れつきの密輸趣味者レッドが鼠をラチェットに売る片手間にこれに托して真珠密輸を企てたのであって...
海野十三 「軍用鼠」
...いわば自分の左手で夏の間の片手間にすることができ...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...その片手間に矢張つくろいをするだけである...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...此書も同樣に家事の片手間に成つたものである事は曰ふ迄もない...
土井晩翠 「隨筆 藪柑子」
...雪駄直しの片手間に...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...昨今の時世では仕事の片手間に生活費を得ることは中々困難にて非常に窮迫していますから...
野呂栄太郎 「岩波茂雄宛書簡」
...貧苦にめげない煮焚(にたき)の業(わざ)の片手間に一枚三厘の襯衣(シャツ)を縫(く)けて...
二葉亭四迷 「浮雲」
...片手間に畑を作ったりして居たけれど...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...その片手間に植木屋もやっているが...
室生犀星 「生涯の垣根」
...何かほかのことをしながら片手間によむのでは...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...甲寅叢書「郷土研究」を出して居た片手間に...
柳田国男 「予が出版事業」
...私はウトウトする片手間に...
夢野久作 「怪青年モセイ」
...危機に瀕した谷山家の財政をドシドシ整理して行く片手間に...
夢野久作 「キチガイ地獄」
...海上を流浪する事十箇月……その片手間に親の讐敵(かたき)だというので...
夢野久作 「爆弾太平記」
...――今、早速に、其方が鍛ちにかかっている山寺源太夫様の御下命の品にせよ、ここで一際(ひときわ)、優(すぐ)れた刀(もの)を鍛(う)ち上げねば、名折れの上の名折れになろうと』『よ、よけいなことだ』『では、そなたは、長国寺でうけた恥かしめを、口惜(くちお)しいとも、家名の恥辱とも、思わぬのか』『こちらは、元より百姓郷士、農事の片手間に、鍛っている仕事です...
吉川英治 「山浦清麿」
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