...その蚤だか虱だかを捻る片手間に...
泉鏡花 「薄紅梅」
...片手間に、継掛けの紺足袋と、寝衣(ねまき)に重ねる浴衣のような洗濯ものを一包、弁当をぶら下げて、素足に藁草履(わらぞうり)、ここらは、山家で――悄々(しおしお)と天幕を出た姿に、もう山の影が薄暗く隈を取って映りました...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...また折々は台所で煮物の片手間にまで...
伊藤野枝 「乞食の名誉」
...家業としては片手間に石炭問屋をやっている程度であった...
井上貞治郎 「私の履歴書」
...いわば自分の左手で夏の間の片手間にすることができ...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...農業の片手間には何時も山から山を渉って獣を狩っている...
田中貢太郎 「蛇怨」
...その片手間に矢張つくろいをするだけである...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...貧苦にめげない煮焚(にたき)の業(わざ)の片手間に一枚三厘の襯衣(シャツ)を縫(く)けて...
二葉亭四迷 「浮雲」
...その片手間に植木屋もやっているが...
室生犀星 「生涯の垣根」
...片手間に近所の人たちの簡単服だのエプロンだのの賃仕事をしているうちに...
矢田津世子 「鴻ノ巣女房」
...農の片手間に衆僧となって出るのであったが...
柳田国男 「木綿以前の事」
...甲寅叢書「郷土研究」を出して居た片手間に...
柳田国男 「予が出版事業」
...例の通り店番の片手間にここに座ってよく調べてみますと驚きましたね...
夢野久作 「悪魔祈祷書」
...危機に瀕した谷山家の財政をドシドシ整理して行く片手間に...
夢野久作 「キチガイ地獄」
...誰でも彼でも親切にしてやる片手間には...
夢野久作 「近世快人伝」
...錻力(ぶりき)を引裂いたりする片手間に...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...だから吾輩や斎藤先生の事を色々と君に話して行く片手間に...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...その片手間に室内を振り返ってみると……ギョッとした...
夢野久作 「幽霊と推進機」
便利!手書き漢字入力検索