...だが、処罰が二人前になって十分にふりかかるのは、生意気な、頑丈な、片意地な、尻(しり)の大きいオランダ人の腕白小僧だった...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「スリーピー・ホローの伝説」
...前(ぜん)の女教師の片意地な基督(キリスト)教信者であつた事や...
石川啄木 「道」
...片意地な人はいくら怒っても諦めて初志を捨てない...
伊藤左千夫 「春の潮」
......
相馬御風 「坪内先生を憶ふ」
...曽根は常になく片意地な...
相馬泰三 「六月」
...寝入ったように見えた師匠はまんじりともせずに聴いていてくれたのであるおよそかくのごとき逸話(いつわ)は枚挙に遑(いとま)なくあえて浄瑠璃の太夫や人形使いに限ったことではない生田(いくた)流の琴や三味線の伝授においても同様であったそれにこの方の師匠は大概(たいがい)盲人の検校であったから不具者の常として片意地な人が多く勢い苛酷(かこく)に走った傾(かたむ)きがないでもあるまい...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...引っつかみたいといった片意地な欲望が...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「犬を連れた奥さん」
...斯(か)く人心の片意地なるは世間へ対しても不外聞至極ならずや...
中里介山 「大菩薩峠」
...片意地な夫は決してそれを飛び超えてくれなかった...
夏目漱石 「道草」
...日本橋で知らない者のない因業(いんごう)な片意地な人間ですぜ」「あれが桶甚(おけじん)か」平次も驚きました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...――あの娘は一體そんな片意地なところのある人で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あの片意地な娘が黙ってなぞいる筈はない...
久生十蘭 「魔都」
...及びその片意地な天性により...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...少し片意地な點もあつて...
三島霜川 「平民の娘」
...行くがいい 既に門出の時である 行け太陽のもと 喧噪のさなかに 行け 風塵霜露の衢々に行つて お前の運命を試みるべき時である 行け片意地な兜蟲 か弱い仔雀 跛この驢馬 憐れなるわが詩(うた)の一卷...
三好達治 「山果集に寄す」
...その片意地な程の潔癖さを世間の眼は「旋毛曲り」とみていた...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...俺はドウしたらいいんだろう……クレハの奴は幼少(ちいさ)い時から無残絵描きの父親の遺伝を受けていると見えてトテモ片意地な...
夢野久作 「二重心臓」
...お前が片意地なことは...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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