...ふだんから片意地なげじげじ眉をちょいとひそめて...
芥川龍之介 「竜」
...これにはさすがに片意地な恵門も...
芥川龍之介 「竜」
...一人の片意地なる者が馬を指して鹿と云ひ張る故を以つて...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...前(ぜん)の女教師の片意地な基督(キリスト)教信者であつた事や...
石川啄木 「道」
...おとッつさんのは言い出すとすぐ片意地になるから困る」「なに……なにが片意地なもんか...
伊藤左千夫 「春の潮」
...なるほど平生(へいぜい)おれに片意地なところはある...
伊藤左千夫 「春の潮」
...おッ母さんどうぞお酌(しゃく)を……私は今夜は話がつかねば喧嘩(けんか)しても帰らねいつもりだからまあゆっくり話すべい」片意地な土屋老人との話はせいてはだめだと薊は考えてるのだ...
伊藤左千夫 「春の潮」
...いわば自分の片意地な料簡から...
伊藤左千夫 「春の潮」
...寝入ったように見えた師匠はまんじりともせずに聴いていてくれたのであるおよそかくのごとき逸話(いつわ)は枚挙に遑(いとま)なくあえて浄瑠璃の太夫や人形使いに限ったことではない生田(いくた)流の琴や三味線の伝授においても同様であったそれにこの方の師匠は大概(たいがい)盲人の検校であったから不具者の常として片意地な人が多く勢い苛酷(かこく)に走った傾(かたむ)きがないでもあるまい...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...引っつかみたいといった片意地な欲望が...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「犬を連れた奥さん」
...ときにはひどく片意地なこともあったが...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...――あの娘は一體そんな片意地なところのある人で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...純情で敬虔な本性なのに一種陰鬱な片意地なところもあって...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...甚だ片意地な男があった...
穂積陳重 「法窓夜話」
...少し片意地な點もあつて...
三島霜川 「平民の娘」
...行くがいい 既に門出の時である 行け太陽のもと 喧噪のさなかに 行け 風塵霜露の衢々に行つて お前の運命を試みるべき時である 行け片意地な兜蟲 か弱い仔雀 跛この驢馬 憐れなるわが詩(うた)の一卷...
三好達治 「山果集に寄す」
...それは却(かえ)っておみつの片意地な性分を煽(あお)るような結果になったのだろう...
山本周五郎 「さぶ」
...俺はドウしたらいいんだろう……クレハの奴は幼少(ちいさ)い時から無残絵描きの父親の遺伝を受けていると見えてトテモ片意地な...
夢野久作 「二重心臓」
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