...老人は片々(かたかた)の足を洗ったばかりで...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...況(いはん)や片々たる批評家の言葉などを顧慮してかかつてはいけません...
芥川龍之介 「文芸鑑賞講座」
...その一片々々(ひとつ/\)が光るかと見えるまで...
石川啄木 「鳥影」
...片々蠣目(かきめ)のようで...
泉鏡花 「婦系図」
...片々の底革にて摩る...
ストリンドベルヒ August Strindberg 森鴎外訳 「一人舞台」
...「餘瀝 近事片々」(「正直ノオト」「春晝」「市井喧爭」「酒ぎらひ」「困惑の辯」「知らない人」「心の王者」「鬱屈禍」)以上の五篇の創作にて...
太宰治 「『思ひ出』序」
...思い出が皆片々(きれぎれ)で...
田山花袋 「一兵卒」
...膝(ひざ)のあたりまで裾(すそ)吹巻(ふきまく)られたる女の懐中よりは鼻紙片々(へんぺん)として木葉(このは)に交(まじわ)り日傘諸共(もろとも)空中に舞飛(まいと)べり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...午後門外を歩むに耕したる水田に鳥おどしの色紙片々として風に翻るを見る...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...仕方がないので片々で十分に踏みかためては一足のぼり...
長塚節 「痍のあと」
...どんな片々でもを読まされて...
牧野信一 「交遊記」
...高貴な織物の一片々々にしみわたっていた僕は毎朝監守の前で...
槇村浩 「シュレジェンの織工によせて」
...寧ろ片々たる小篇に...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...片々たるものは本当にいやです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...片々の目をあけてゐた...
カミイユ・ルモンニエエ Camille Lemonnier 森林太郎訳 「聖ニコラウスの夜」
...この片々は、風のために八方へ投げられた落ち水からつくられるのであつた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...片々の肺だけで呼吸しようとしてゐた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...片々一地方ノ一城ニ過ザル当城ニ於テ...
吉川英治 「新書太閤記」
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