...庭一面に秋の錦(にしき)を片々と黄金...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...稈心の片々になつたのが...
薄田泣菫 「旋風」
...片々の底革にて摩る...
ストリンドベルヒ August Strindberg 森鴎外訳 「一人舞台」
...叙するところは片々たる事柄である...
高浜虚子 「俳句への道」
...相手が片々たる雑誌記者だと侮ったのかも知れないが...
谷崎潤一郎 「蘿洞先生」
...郁治はどうせそんな片々(へんぺん)たるものを出したって...
田山花袋 「田舎教師」
...片々たる(尤もその数は無限かも知れぬが)歴史的材料では本質的なものを導き出すには足るまい...
戸坂潤 「思想としての文学」
...まづ片々(かた/\)の肩からはづして...
レオ・トルストイ Lev Nikolaevich Tolstoi 森林太郎訳 「パアテル・セルギウス」
...片々(へんぺん)たる落葉(おちば)は廣(ひろ)い區域(くゐき)に悉(ことごと)く其(そ)の俤(おもかげ)をも止(とゞ)めないで消滅(せうめつ)して畢(しま)はねば成(な)らぬのであつた...
長塚節 「土」
...いつかの失敗を回想しながら片々の掌でそつと自分の後頭部を撫で降してゐた...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...黄金の片々(ひらひら)を彼等の頭上に霰と降らすのであつた...
牧野信一 「武者窓日記」
...寧ろ片々たる小篇に...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...現存する繍帳は片々たる小断欠を接ぎあわせたわずか方三尺たらずの小裂ゆえ一見すぐさまこれをもって一丈六尺四方の原形を想像することは難いけれども...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...これら片々たる小印刷物もまんざらバカにならぬ代物...
山本笑月 「明治世相百話」
...またそれを片々の手に持ち更へた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...あゝ! この瞬間、その船は何處にゐるのか、その「レオポルデイヌ」は? 無論、彼方に、あの恐ろしい遠い氷島の彼方に、見捨てられ、片々に碎かれて、失はれて‥‥そしてその考へはいつも同じ、執念い幻となつて終つた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...片々と落葉の舞う彼方に...
吉川英治 「三国志」
...片々一地方ノ一城ニ過ザル当城ニ於テ...
吉川英治 「新書太閤記」
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