...片々(かたかた)の人指(ひとさし)ゆびで...
泉鏡花 「悪獣篇」
...稈心の片々になつたのが...
薄田泣菫 「旋風」
...唯片々たる叙写のように見えていて...
高浜虚子 「俳句への道」
...好雪片々不落別処(すこし...
種田山頭火 「其中日記」
...あらゆるそう云った色刷のどれかを想い出させるような片々が見出されて来た...
寺田寅彦 「浅草紙」
...数学的操作は数千年の片々たる業績の積堆の外ではない...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...片々(へんぺん)になったのや...
中里介山 「大菩薩峠」
...片々(へんぺん)たる落葉(おちば)は廣(ひろ)い區域(くゐき)に悉(ことごと)く其(そ)の俤(おもかげ)をも止(とゞ)めないで消滅(せうめつ)して畢(しま)はねば成(な)らぬのであつた...
長塚節 「土」
...片々(かたかた)が一尺昇れば片々は一尺下がるように運命は出来上っている...
夏目漱石 「虞美人草」
...城中記録の片々に依つて私は...
牧野信一 「熱い風」
...仮装行列の出たら目な道具のやうだつた片々が...
牧野信一 「鱗雲」
...木の葉にからんで指摘することも出来ない無数の片々が...
牧野信一 「鬼の門」
...三つの片々となつた風車は...
牧野信一 「ゾイラス」
...息子と片々宛で梶棒を持つて...
牧野信一 「ダイアナの馬」
...終りは吟声(ぎんせい)となり放歌となり都々逸(どどいつ)端唄(はうた)謡曲仮声(こわいろ)片々(へんぺん)寸々(すんずん)又継又続倏忽(しゅっこつ)変化自(みずか)ら測る能はず...
正岡子規 「墨汁一滴」
...片々(かたかた)の肘をつかまえた...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...また片々たる落葉の脆(もろ)さに似てしまう...
吉川英治 「新書太閤記」
...どこから紛れてくるのか、遅桜の片々が、晩春の印影を、わずかに描いているだけで、泉殿のあたりであろうか、蛙の声が遠く聞える...
吉川英治 「平の将門」
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