...一片々々に査(しら)べ視よ...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...片々に語りながら...
石川啄木 「天鵞絨」
...稈心の片々になつたのが...
薄田泣菫 「旋風」
...唯片々たる叙写のように見えていて...
高浜虚子 「俳句への道」
...好雪片々別処に落ちず...
種田山頭火 「行乞記」
...郁治はどうせそんな片々(へんぺん)たるものを出したって...
田山花袋 「田舎教師」
...近事片々とはリキヨオルの事である...
オイゲン・チリコフ Evgenii Nikolaevich Chirikov 森林太郎訳 「板ばさみ」
...私が持つは、ひとりの神様、ひとりの王様、一文銭に片々靴...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...門の折戸片々いつも内より開かれて...
長谷川時雨 「うづみ火」
...馬頭観音の祠の傍らで斯んな靴を拾つたと云つて彼女の銀色の片々の舞踏靴を渡すのです...
牧野信一 「女優」
...いつかの失敗を回想しながら片々の掌でそつと自分の後頭部を撫で降してゐた...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...極度の額面神経の緊張のために片方の眼はまんまるくぎよろりとしてゐるのに片々の方は般若のそれのやうに口の端といつしよに引き吊られて...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...高貴な織物の一片々々にしみわたっていた僕は毎朝監守の前で...
槇村浩 「シュレジェンの織工によせて」
...一木一草――ほんのかりそめのいと片々たる雑艸(ざっそう)までが立派に明日の糧(かて)となった...
正岡容 「小説 圓朝」
...終りは吟声(ぎんせい)となり放歌となり都々逸(どどいつ)端唄(はうた)謡曲仮声(こわいろ)片々(へんぺん)寸々(すんずん)又継又続倏忽(しゅっこつ)変化自(みずか)ら測る能はず...
正岡子規 「墨汁一滴」
...片々の目が隠れるようにして通るのを見るでしょう...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...片々たるおたがひの“いのち”の影である...
吉川英治 「折々の記」
...沖の波に似た白雲の片々(かけら)が風に流れて...
若山牧水 「岬の端」
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