...片々たる批評家の言葉の為にも...
芥川龍之介 「文芸鑑賞講座」
...その片々は一幅の大畫圖となりて我前に横はれり...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...風に身を任せて片々と落ちる時これを誇るものであろう...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...その片々の女は目の覺めるほど美しい女であつた...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...それに目も片々(かた/\)は好く見えないと申しますが...
オイゲン・チリコフ Evgenii Nikolaevich Chirikov 森林太郎訳 「板ばさみ」
...あらゆるそう云った色刷のどれかを想い出させるような片々が見出されて来た...
寺田寅彦 「浅草紙」
...その周囲には緑色の紗(しゃ)の片々と思うようなアスパラガスの葉が四方に広がり...
寺田寅彦 「病室の花」
...片々(きれぎれ)のいろいろのものが...
徳田秋声 「爛」
...蝶影(てふえい)片々たる閑庭異様なる花香(くわかう)の脉々として漂へるを知るべし...
永井荷風 「来青花」
...チラ/\と大きな雪の片々が顔や肩にふりかゝるのが彼には快かつた...
長與善郎 「青銅の基督」
...その一片々々が眸をひらき...
堀辰雄 「日時計の天使」
...片々たるものは本当にいやです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...片々の目が隠れるようにして通るのを見るでしょう...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...片々の目を瞑(ねむ)って...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...またそれを片々の手に持ち更へた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...一幹の梢(こずえ)を振い落された片々の枯葉...
吉川英治 「三国志」
...私事片々幸い、この五月三十一日には、大阪の朝日会館で恒例の愛読者大会がある...
吉川英治 「随筆 新平家」
...峰の桜が片々(へんぺん)と流れにせかれて落ちてゆく...
吉川英治 「宮本武蔵」
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