...何を覗(のぞ)くか爪立(つまだ)つがごとくにして...
泉鏡花 「悪獣篇」
...雪踏(せった)の尖(さき)は爪立(つまた)つばかり...
泉鏡花 「婦系図」
...猛獣の爪にひき裂かれたようではないか」船長は...
海野十三 「幽霊船の秘密」
...その童女(をとめ)を湯津爪櫛(ゆつつまぐし)に取らして...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...また春日の日爪(ひつま)の臣が女...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...爪立(つまだ)ちを止(や)めた女の体がもったりと凭(もた)れて来た...
田中貢太郎 「青い紐」
...爪先(つまさき)をそろえ...
徳田秋声 「仮装人物」
...春風の香しき鬢のもつれを弄ぶが如き律ありて、凡そ微妙なる感能の極度を動す舞踏(バレー)の曲につれ、君は爪先立ちて、鳥の如くに舞台を飛び廻り、曲の一節毎に、裾を蹴つて足を上げ、手をかざして両の脇を伺はしむ...
永井荷風 「舞姫」
...爪の色、眼瞼(まぶた)の中がまるで違う」「有難う、とんだ手数をかけました」平次は丁寧に医者を送り返しました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...爪先から頭の先までうねり返すような激しい痙攣を一つすると...
久生十蘭 「魔都」
...一時慎重の態度を装うといえども陰にその爪牙を磨き...
日野強 「新疆所感」
...骨(こつ)……骨よりもっと世話なしに出来るのは鼈甲屋(べっこうや)などに馬爪(ばづ)の削屑(けずりくず)がいくらもあって只呉(ただく)れる...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...そつと唇を噛むほどな異様に意地悪るな爪と何も知らない退屈の手に襟がみをとられて...
牧野信一 「蔭ひなた」
...髪を調え爪を切る暇までも失いました...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...爪楊枝一本無駄にはしない...
矢田津世子 「神楽坂」
...おうたのからだは頭から手足の爪先まで...
山本周五郎 「薊」
...そこへ水瓶(みずがめ)とコップのお盆を抱えた十八九の綺麗な少年ボーイが爪先走りに通りかかったが...
夢野久作 「人間レコード」
...そのときには、ああ、またあのざらざらした鮫肌(さめはだ)や、くさい大蒜(にんにく)の匂いのした舌や、べったり髪にくっついた油や、長い爪や、咬みつく尖った乱杭歯(らんぐいば)やが――と思うと、もう彼女はあきらめきった病人のように、のびのびとなってしまって天井に拡(ひろが)っている暗(やみ)の中をいつまでも眺めていた...
横光利一 「上海」
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