...しかしそれは必ずしも一爪痕(さうこん)を残すことではない...
芥川龍之介 「続文芸的な、余りに文芸的な」
...爪の粉は忽(たちま)ちとれること妙なり...
海野十三 「白銅貨の効用」
...かれ左の御髻(みみづら)に刺させる湯津爪櫛(ゆつつまぐし)一二の男柱一箇(ひとつ)取り闕(か)きて...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...この風変りな箏曲家がそろそろ爪調べにかかると...
薄田泣菫 「茶話」
...ななめにするどい爪をたてたとみえて...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...同時にそれは一種鹿爪らしい表情となつて現れてゐた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...鋭い爪に掴(つか)まれた枝から落ちて...
永井荷風 「曇天」
...爪先の向いた方へ行ってみることにしよう...
中里介山 「大菩薩峠」
...鹿爪(しかつめ)らしく云(い)ひ出(だ)すのも何(なん)だか妙(めう)だから...
夏目漱石 「門」
...爪先は奧から風呂場の方へ向いて居るが」「あわてて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一時慎重の態度を装うといえども陰にその爪牙を磨き...
日野強 「新疆所感」
...ああだかうだと愚にもつかぬことを鹿爪らしく書いてゐるけれど――女の惚れる相手は惡魔きりだ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「狂人日記」
...親爪をもぎ取られた蟹(かに)のようになって行く自分のみじめさを知った...
北條民雄 「いのちの初夜」
...観客の方を向いて片膝立てに坐って三味線を爪弾きしている...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...真に爪に火を点(とぼ)す人と...
森鴎外 「雁」
...爪探(つまさぐ)りをしながら登って行った...
夢野久作 「一足お先に」
...源五(げんご)か」天狗(てんぐ)の爪(つめ)からのびあがって...
吉川英治 「神州天馬侠」
...徳川家(とくがわけ)の射手(いて)加賀爪伝内(かがづめでんない)がはなした遠矢(とおや)で...
吉川英治 「神州天馬侠」
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