...あるいはその手の指の先に(ニコティンは太い第二指の爪を何と云う黄色(きいろ)に染めていたであろう!)四(よ)つ折(おり)に折られた十円札が一枚...
芥川龍之介 「十円札」
...爪(つめ)まで磨き上げられた耕馬が三十頭近く集まった...
有島武郎 「カインの末裔」
...』『八時から九時……』高橋は鹿爪らしく小首を傾(かし)げて...
石川啄木 「我等の一團と彼」
...指には貝殻(かいがら)の様な爪が生えていた...
江戸川乱歩 「押絵と旅する男」
...マダーム・ドファルジュは爪楊枝をやめて...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...爪の垢ほどもいだいてはいなかったけれど...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...長い爪(つめ)がなくなつてゐます...
豊島与志雄 「悪魔の宝」
...広い道が爪先上りに高くなつてゐる端(はづ)れに...
永井荷風 「にぎり飯」
...爪先で探ると段々がある...
夏目漱石 「坑夫」
...人間だって爪に変りはないやね...
夏目漱石 「二百十日」
...鹿爪(しかつめ)らしく云(い)ひ出(だ)すのも何(なん)だか妙(めう)だから...
夏目漱石 「門」
...日本一の鹿爪(しかつめ)らしい顔をしたり...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...爪でしるしをつけてあった...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...爪先から順々と降つて僕の顔を撫でゝ行くやうなものだから...
牧野信一 「女優」
...その爪と見ゆるは実は蹄(ひづめ)で甚だ犀(さい)の蹄に近い(ウッド『博物画譜(イラストレーテッド・ナチュラル・ヒストリー)』巻一)...
南方熊楠 「十二支考」
...はだしの爪尖で地面を掻いた...
山本周五郎 「似而非物語」
...爪を立てるように泣き慄(ふる)えて――「おっ母さんには...
吉川英治 「大岡越前」
...そして、ご姉妹(きょうだい)の年順に、まだ乳呑児のうちに、左の指の爪へ、漆(うるし)のごとく、お鉄漿(はぐろ)の入墨(いれずみ)をなされました」「爪へ、入墨をしたとか...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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