...蒸風呂と言ふのは鹽の上に藁で出來た大きな袋をかぶせて上から熱湯を注いだ中に人が這入つて蒸されて柔くなつた皮膚を爪で掻いて垢を落とす裝置でして...
江南文三 「佐渡が島から」
...四つの足ではひながらもときどきうすい爪でものをかきむしる...
大手拓次 「藍色の蟇」
......
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...」「センイチだつて……あゝ、二本の角、手の爪(つめ)、足のひづめ、それからしつぽ……...
豊島与志雄 「悪魔の宝」
...そして爪先(つまさき)でぐるっとまわって...
ロマン・ローラン 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...貝殻のような爪が光った...
豊島与志雄 「非情の愛」
...皆石を爪(つめ)でかきながら...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...爪を刳(えぐ)る妙(みょう)なものと...
夏目漱石 「二百十日」
...尤もあつしの傍では、あのお比奈坊が、袂(たもと)をいぢつたり、爪を噛んだり、眼をつぶつたり、斷わつて貰ひたい樣子でしたがね」「ヨイヨイの年寄の傍より、八五郎の傍の方が良いといふわけかえ」「それに違げえねえと思ふんだが――」「お前といふ人間は、よく/\結構に出來てゐるよ――ところで、入れ替へは濟んだのか」「今日、これから始まるんですが、どうしたものでせう、親分」「男と見込まれたんだらう――兄に頼まれちや、妹の手前もあるといふわけだ」「でも、袂(たもと)を裏返したり、爪を噛んだり、眼をつぶつたり」「娘の所作(しよさ)なんか、俺に訊いたつてわかるものか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...朱絃舎浜子の爪音(つまおと)が...
長谷川時雨 「紫式部」
...爪先でじぶんの額を蹴(け)あげるようにしながら行進する...
久生十蘭 「キャラコさん」
...「それから七草を爪につけないと指の怪我をするんですつて...
牧野信一 「熱海へ」
...「爪」と云ふのと...
牧野信一 「あやふやなこと」
...つかまれた手に爪を立てながら...
吉川英治 「江戸三国志」
...白足袋(しろたび)の爪先(つまさき)をたて...
吉川英治 「神州天馬侠」
...館の下僕(しもべ)から、郷(さと)に住む地侍(じざむらい)といった類の者まで、およそ日頃から常陸源氏の一族に、反感をもっているか、あるいは、被圧迫的な立場におかれている者など、お互いに、呼びかけあって、「野爪へ行け...
吉川英治 「平の将門」
...お十夜の爪にかきむしられるか...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...爪先(つまさき)を水に触(ふ)れてみる...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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