...大抵の燧石には穴があいてゐましてその穴の中には無數の水晶か動物の齒のやうに上下左右から出てゐます...
江南文三 「佐渡が島から」
...間もなく尾瀬沼へ出て燧岳の登山口を過ぎて十時五十分に長蔵小屋に着いた...
高頭仁兵衛 「平ヶ岳登攀記」
......
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...神棚の燈明(とうみょう)をつけるために使う燧金(ひうちがね)には大きな木の板片が把手(とって)についているし...
寺田寅彦 「喫煙四十年」
...その頃では神棚の燈明を点(とも)すのにマッチは汚(けが)れがあるというのでわざわざ燧(ひうち)で火を切り出し...
寺田寅彦 「追憶の冬夜」
...象山の燧石(ひうちいし)と相鑽(う)つ...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...そのひとりは燧金銃(ひうちがねじゅう)を持っていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...燧袋(ひうちぶくろ)がない...
中里介山 「大菩薩峠」
...燧人氏(すいじんし)というものもあった...
蜷川新 「天皇」
...(燧石を摺り、行燈に灯を点ずる)入口を手荒く開けて、いわしの北公、前より約十年老けている...
長谷川伸 「一本刀土俵入 二幕五場」
...燧鉄(うちがね)から散る火花のやうな飛沫を四方へ跳ねあげてゐる...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...燧岳の紅葉は匍松(はいまつ)地帯より始まり...
平野長蔵 「尾瀬沼の四季」
...燧石(ひうちいし)のやうな眼は冷い眼瞼(まぶた)に覆はれ...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...燧石は稜(かど)があるからカド石という土地が多い...
柳田国男 「木綿以前の事」
...燧袋(ひうちぶくろ)に入れてどこへでも持ってあるくには...
柳田国男 「木綿以前の事」
...籠手(こて)、脛当(すねあて)、胴、腹巻などの物具はいうもおろか、金創薬(きんそうやく)、燧打(ひうち)、弾薬入れ、すべて身に纏(まと)うばかりに揃えてあるのだった...
吉川英治 「新書太閤記」
...一人がカチカチと燧石(ひうちいし)を磨(す)る...
吉川英治 「新・水滸伝」
...にんじんは燧(ひうち)をおもちゃにする...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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