...あとに燠が残るかも知れない...
太宰治 「津軽」
...たまにはかわりに往ってくれるとでも云うのかい」長吉は黙って掌で燠(おき)の見当をつけて煙草を点(つ)けた...
田中貢太郎 「春心」
...二階の私に燠を持つてきてくれて話した...
種田山頭火 「行乞記」
...火鉢にも燠がたやされない...
種田山頭火 「道中記」
...鋼(はがね)の波にアベラール沈み鉛の艫(とも)にエロイーズ浮む骸炭は澪(みを)に乗り直立する彼岸花を捧げて走り『死』は半ば脣(くち)を開いて 水を恋ひまた燠(おき)を霊床(たまどこ)とするすべては 緑礬のみづ底に息をつく象牙球(だま)の腹部の内(うちら)側に...
富永太郎 「頌歌」
...火が燃されて燠(おき)が見えていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...煙が狹い家に薄く滿ちた時に火鉢へは燠(おき)が出來て煤けた鐵瓶がちう/\鳴り出した...
長塚節 「芋掘り」
...燠((おき))の空...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...燠((おき))の前でヨ糸紡ぐ――なんといろいろ見れるぢやねエかヨ...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...ちやうど百姓が煙草を吸ひつけようとして素手で燠(おき)を持つた時のやうに渋面を作つてフウフウ息を吹きかけながら...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...真赤な燠になつて曠野(ステッピ)ぢゆうに散らばつて落ちたものぢや...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...煙管から煙草の燠(おき)を藁束のなかへはたき落すと共に...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...白い灰をかぶった燠(おき)を見ながら彼は凝然としていた...
本庄陸男 「石狩川」
...燠(おき)はなほ盛なりという...
武者金吉 「地震なまず」
...朝は真赤な燠(おき)になっているようにして置く事が...
柳田国男 「木綿以前の事」
...クヨークリは燠(おき)のごとく具体的ならず...
柳田国男 「雪国の春」
...矢代は小屋の燠火で鶏の丸焼をするつもりだったが...
横光利一 「旅愁」
...その上に父の骨がほのかな曙色を裡に湛えた燠の姿で並んで来た...
横光利一 「旅愁」
便利!手書き漢字入力検索
