...燕の巣、鮫(さめ)の鰭(ひれ)、蒸(む)した卵、燻(いぶ)した鯉、豚の丸煮、海参(なまこ)の羹(あつもの)、――料理はいくら数へても、到底数へ尽されなかつた...
芥川龍之介 「南京の基督」
...燕はそれもそうだ...
有島武郎 「燕と王子」
...機嫌(きげん)のいい時は楽燕(らくえん)張りの節廻しで...
徳田秋声 「縮図」
...燕麦は麦より強い...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...女流落語家で燕嬢というのがいた...
野村胡堂 「胡堂百話」
...燕嬢の亭主でありながら...
野村胡堂 「胡堂百話」
...燕女は親方の權之助の方に心を寄せてゐる...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...柳は風にふきながされ燕も 歌も ひよ鳥も かすみの中に消えさる...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...が、我等の主人公たちは、書きつぶしたり白紙のままの夥しい紙だの、俯向きになっている頭だの、だだっぴろい項(うなじ)だの、燕尾服や、田舎仕立のフロックコートを著た連中だの、また中には非常にくっきり浮きたつような、薄鼠いろの背広姿ですましている男だのを見たが、この背広姿の先生は、首をぐっと横へ曲げて、殆んどそれを紙にくっつけないばかりにして、手ばやく書き擲るように、何でも他人(ひと)の土地をおとなしい地主が横領して、長の一生を裁判沙汰のまま、却ってそのお蔭で自分も子供も孫も何不自由なく、今日まで安穏に暮らして来た、その地所の横領とか差押えに関する訴訟記録か何かを抜萃していた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...その燕子花が決してカキツバタに中(あた)っていない事が直ちに看取せられる...
牧野富太郎 「植物記」
...会食の時間となれば賓客(ひんかく)は三々伍々幾多(いくた)の卓に倚(よ)って祝杯を挙げ二十余名の給仕人燕尾服(えんびふく)にて食卓の間を周旋(しゅうせん)す...
村井弦斎 「食道楽」
...竜沙落日燕京花...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...……お燕にしては...
吉川英治 「大岡越前」
...なにをするんだッ」燕作は...
吉川英治 「神州天馬侠」
...支度(したく)はまだですか」燕作の足は...
吉川英治 「神州天馬侠」
...燕作のからだは鳥居のまえから見ているうちに小さくなっていった...
吉川英治 「神州天馬侠」
...そして宋江や燕順がそれを止めるのもきかばこそ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...燕子花(つばめばな)や...
若杉鳥子 「浅間山麓」
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