...ナプキンの紙で拵(こしら)えた人形に燐寸(マッチ)の火をつけていた...
池谷信三郎 「橋」
...燐寸(マッチ)を擦って火を点けると...
海野十三 「蠅」
...上原青年の貸して呉れた燐寸を手にとった...
海野十三 「蠅男」
...――さっき青年上原君に燐寸を借りたでしょう...
海野十三 「蠅男」
...なるほど不思議にも燐寸の軸木(じくぎ)は半分ほどしか入っていなかった...
海野十三 「流線間諜」
...話手の為に燐寸(マッチ)を擦ってやり乍(なが)ら「そこまでは...
江戸川乱歩 「一枚の切符」
...僕かあ十六歳の頃まで燐寸をする事が出來なかつたものだから...
小穴隆一 「二つの繪」
...そんなことは」「燐寸(マッチ)を探していらっしゃるんですか...
鈴木三重吉 「千鳥」
...代金は三千パゴスタ、その外に馬背に積んだおびただしい煙草、アルコオル類、燐寸(マッチ)、子供の玩具類を添えてこの人々は喜んで帰って行った...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...「自分は他人(ひと)から燐寸を貰わねばならぬ」という言葉として...
中島敦 「虎狩」
...燐寸の火が吹き消されて水の上に捨てられた時は彼の鼻先に突出した煙管の雁首に一點の紅を認めるのみで相對して默して居た...
長塚節 「土浦の川口」
...燐寸(マッチ)で瓦斯煖炉(ガスだんろ)を焚(た)いた...
夏目漱石 「門」
...いつまだたつても燐寸をすり損つてばかりゐるので...
堀辰雄 「風景」
...」「今までの竹の胡麻穂だと燐寸一本で...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...啣えた莨へ燐寸を擦りかけた慶太郎の眼が窓の外へ吸われたように動かない...
矢田津世子 「女心拾遺」
...仙太は立ったなり何度も燐寸を擦った...
矢田津世子 「凍雲」
...また次のホクチや附木・燐寸(マッチ)の時代に来てしまった家もあるかと思う...
柳田国男 「木綿以前の事」
...巴里(パリイ)に着いて以来煙草(たばこ)を吸はなく成つた僕は燐寸(マツチ)を擦る役をしてムネ・シユリイや女達に点(つ)けて遣つて居た...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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