...翼に薄い燐光(りんこう)を帯びて...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...どんな闇の夜でもその建物は燐(りん)に漬(つ)けてあったようにほの青白く光る...
有島武郎 「星座」
...燐寸(マッチ)を点けようとしたらそれを停めたのもまた武夫だった...
海野十三 「地球盗難」
...話手の為に燐寸(マッチ)を擦ってやり乍(なが)ら「そこまでは...
江戸川乱歩 「一枚の切符」
...燐のように光る目で...
江戸川乱歩 「黄金豹」
...光子の手から蝋燐寸が燃え上ると...
谷崎潤一郎 「少年」
...しかも、あゝ! あまりに無感覚な、男性的の興奮を知らぬ、燐のやうに冷い、薄暮の空のやうに深い眼(まなこ)を有つた敵ではないか!* * *これはよほど以前のことである...
富永太郎 「美しき敵」
...與吉(よきち)が夜泣(よな)きをする時(とき)卯平(うへい)は枕元(まくらもと)の燐寸(マツチ)をすつて煙草(たばこ)へ火(ひ)を移(うつ)しては燃(も)えさしを手(て)ランプへ點(つ)けて「おつかあが見(め)えんだかも知(し)んねえ...
長塚節 「土」
...灰皿の上に竪(たて)に挟んだ燐寸箱(マッチばこ)の横側をしゅっと擦(す)った...
夏目漱石 「虞美人草」
...門を出て右の坂上にある或る長者(ちょうじゃ)の拵(こしら)えた西洋館などに比べると全くの燐寸箱(マッチばこ)に過ぎません...
夏目漱石 「行人」
...燐寸(マッチ)を擦(す)って蝋燭(ろうそく)を点(とも)して...
夏目漱石 「門」
...アフリカ仏領チュニス燐鉱の輸出超過分を...
久生十蘭 「川波」
...全(まった)く私のてのひらは水の中で青じろく燐光(りんこう)を出していました...
宮沢賢治 「インドラの網」
...燐寸は人間の骨で作るそうなと謂って...
柳田国男 「木綿以前の事」
...そのボーイに五十銭札を握らして燐寸(マッチ)を貰って敷島に火を点(つ)けながら...
夢野久作 「暗黒公使」
...みづから燐寸(まつち)を擦つて...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...そして光源として用いられる燐光性有機体の原料たる他種の原形質...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...燐寸(まつち)よ...
若山牧水 「樹木とその葉」
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