...月の光が燐のように凡(すべ)ての光るものの上に宿っていた...
有島武郎 「カインの末裔」
...燐のように輝く眼を(みひら)いた...
レオニイド・アンドレイエフ Leonid Andrejew 森鴎外訳 「犬」
...煙草を吸ひつけるに燐寸(マツチ)を擦る事はあれど...
石川啄木 「閑天地」
...丑之助は自分で手探りに燐寸(マツチ)を擦つて手ランプに移すと...
石川啄木 「天鵞絨」
...燐寸はありませんか...
泉鏡花 「怨霊借用」
...――さっき青年上原君に燐寸を借りたでしょう...
海野十三 「蠅男」
...ところが……」「ところが――どうしたというのだ」「ところが、そのマッチは特別に作ったもので、燐の外に、喰べるといけない劇薬が混和されていたのだ...
海野十三 「流線間諜」
...話手の為に燐寸(マッチ)を擦ってやり乍(なが)ら「そこまでは...
江戸川乱歩 「一枚の切符」
...その中から燐光(りんこう)を放(はな)つ丸い眼が...
江戸川乱歩 「鬼」
...燐光のやうな明りがすつとさして来た...
薄田泣菫 「独楽園」
...縁側の柱につかまつて岬に砕ける波が燐光をはなつのを眺めてると気管のへんが(ゑぐ)くなつて涙がとめどもなく頬をつたはる...
中勘助 「銀の匙」
......
中山啓 「先駆者」
...かの深空にあるもしづかに解けてなごみ燐光は樹上にかすかなり...
萩原朔太郎 「純情小曲集」
...それからひるは過燐酸(かりんさん)の工場と五稜郭(ごりょうかく)...
宮沢賢治 「或る農学生の日誌」
...」「今までの竹の胡麻穂だと燐寸一本で...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...先刻の燐寸箱のなかにいた女のことを唄つたものであろう...
室生犀星 「洋灯はくらいか明るいか」
...蒼白い燐火のような光りを反映し...
夢野久作 「暗黒公使」
...燐寸(マッチ)を摺(す)って...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
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