...丑之助は自分で手探りに燐寸(マツチ)を擦つて手ランプに移すと...
石川啄木 「天鵞絨」
......
内田魯庵 「八犬伝談余」
...スクリューで泡立てられた夜光虫の燐光が...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...燐寸会社の古い頽(くづ)れた煉瓦塀に沿ひながら...
武田麟太郎 「反逆の呂律」
...私達に燐寸(マッチ)を催促するために...
谷譲次 「踊る地平線」
...高等小学校の理科の時間にTK先生という先生が坩堝(るつぼ)の底に入れた塩酸カリの粉に赤燐(せきりん)をちょっぴり振りかけたのを鞭(むち)の先でちょっとつつくとぱっと発火するという実験をやって見せてくれたことを思い出す...
寺田寅彦 「追憶の冬夜」
...沼沢の上に踊る鬼火のように輝く不思議な燐光(りんこう)が...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...彼(かれ)は焦躁(じ)れて卯平(うへい)の足(あし)もとの灰(はひ)へ燐寸(マツチ)の箱(はこ)を投(な)げた...
長塚節 「土」
...一年や二年燐酸の輸入が杜絶したといって騒ぐのは考えものである...
中谷宇吉郎 「稲の一日」
...燐光を発し、水中に軌跡を描きながら沈んでいく...
アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 石波杏訳 Kyo Ishinami 「老人と海」
...真珠と紅玉とで燐(きらめ)く宮殿の扉(とびら)は...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「アッシャー家の崩壊」
...燐(りん)のやうに光つた...
眞山青果 「茗荷畠」
...一秒ごとにぱっぱっと燐光がきらめいた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「幸福への意志」
...火鉢の中から出てきた燐寸(マッチ)の燃滓(もえかす)と紙を焼いた灰だ...
山下利三郎 「誘拐者」
...避けがたきところであります」そのとき講演者の眼が燐(りん)のような光を放つのを...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...燐光(りんこう)の中に...
夢野久作 「怪夢」
...燐木(つけぎ)の焔(ほのお)を投げこんだ...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...そのうちに燐とアンモニアの幾分を含んでいるが...
リットン Edward George Earle Bulwer-Lytton 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
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