...マッカリヌプリの絶巓(ぜってん)の雪だけが燐光を放ってかすかに光っていた...
有島武郎 「カインの末裔」
...燐化物を含んでいる...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...七歳になる時に燐寸を弄んで...
石川啄木 「足跡」
...そして燐寸を擦つた...
石川啄木 「散文詩」
...燐光(りんこう)を放ちしものなることが判明せりとぞ...
井上円了 「おばけの正体」
...燐寸の箱を検事に手渡した...
海野十三 「地獄の使者」
...「帆村君、燐寸が見えない...
海野十三 「流線間諜」
...スクリューで泡立てられた夜光虫の燐光が...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...ちやうど彼がつけた燐寸(マツチ)の火に...
武田麟太郎 「釜ヶ崎」
...拠所(よんどころ)なく新しい馬糞に過燐酸(かりんさん)を混じて使った...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...與吉(よきち)は其(そ)の不自由(ふじいう)な手(て)から燐寸(マツチ)を奪(うば)ふやうにして火(ひ)を點(つ)けて見(み)た...
長塚節 「土」
...燐寸の火が吹き消されて水の上に捨てられた時は彼の鼻先に突出した煙管の雁首に一點の紅を認めるのみで相對して默して居た...
長塚節 「土浦の川口」
...窒素や加里や燐はもちろん必要で...
中谷宇吉郎 「稲の一日」
...どうしたのか片脚に燐寸の棒を結はへつけられてゐた...
堀辰雄 「巣立ち」
...それからひるは過燐酸(かりんさん)の工場と五稜郭(ごりょうかく)...
宮沢賢治 「或る農学生の日誌」
...けれどもだんだん氣をつけて見ると、そのきれいな水は、ガラスよりも水素よりもすきとほつて、ときどき眼の加減か、ちらちら紫いろのこまかな波をたてたり、虹のやうにぎらつと光つたりしながら、聲もなくどんどん流れて行き、野原にはあつちにもこつちにも、燐光の三角標が、うつくしく立つてゐたのです...
宮沢賢治 「銀河鐵道の夜」
...」「今までの竹の胡麻穂だと燐寸一本で...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...洋次郎は燐寸(マッチ)をとって...
蘭郁二郎 「孤独」
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