...無気味な燐光(りんこう)を放つほかに...
芥川龍之介 「影」
...そうすると或(あ)る日列車の振動で棚の上に載せておいた燐(りん)がころげ落ちて...
石原純 「トーマス・エディソン」
...それはあの手提(バッグ)の中にある一つの燐寸(マッチ)です...
海野十三 「流線間諜」
...事件に関係のない極く普通の燐寸としか考えられないがね」と大江山捜査課長は首を振って「ねえ雁金(かりがね)さん...
海野十三 「流線間諜」
...そこで燐寸の頭を取出し...
海野十三 「流線間諜」
...燐寸の軸のような電柱...
田中英光 「箱根の山」
...フォン・コーレンは燐光の説明をはじめた...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...アンガウル島へ燐鉱掘りに狩出されて行く良人を浜に見送る島民の女は...
中島敦 「南島譚」
...卯平(うへい)は目(め)を蹙(しか)めた儘(まゝ)燐寸(マツチ)をとつて復(また)すつと擦(す)つて...
長塚節 「土」
...一年や二年燐酸の輸入が杜絶したといって騒ぐのは考えものである...
中谷宇吉郎 「稲の一日」
...加里(カリ)や燐酸塩(りんさんえん)も...
中谷宇吉郎 「貝鍋の歌」
...夜中に燐寸(マッチ)を擦って烟草(たばこ)を吹かした...
夏目漱石 「それから」
...津田はすぐ灰皿の上にあった燐寸(マッチ)を擦(す)った...
夏目漱石 「明暗」
...悲しきは女子(をなご)の身の寸燐(まつち)の箱はりして一人口(ひとりぐち)過(すぐ)しがたく...
樋口一葉 「にごりえ」
...ポーランドとよく似ているよ……白耳義(ベルギー)の屑鉄もチュニスの燐鉱も...
久生十蘭 「川波」
...彼女の麗わしさを囲繞(いじょう)し秘蔵しているように思われる燐然(さんぜん)たる雰囲気の中に...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「しめしあわせ」
...私の燐の注射はもうすこしで十本終りますが...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...火鉢の中から出てきた燐寸(マッチ)の燃滓(もえかす)と紙を焼いた灰だ...
山下利三郎 「誘拐者」
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