...そして多くの燐れな新参の僧侶が誓言を述べに呼ばれる時には...
テオフィル・ゴーチエ Theophile Gautier 芥川龍之介訳 「クラリモンド」
...「鮹(たこ)の燐火(ひとだま)...
泉鏡花 「海の使者」
...油断をなさず「赤毛のゴリラ」が小猿を使って燐寸函の奪還をはかったよりも前にひそかにその函の中から数本の燐寸の棒をポケットに滑りこませて置いたのだった...
海野十三 「流線間諜」
...硫黄をつけた上に赤い燐をつけてある...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「歌う白骨」
...燐色(りんいろ)に光る二つの眼の玉がだんだん近寄って来るのである...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...その上にはピカピカ光る形ちが指で魚の燐光の中に掏(すく)い上げたように描かれてあった...
チェスタートン 直木三十五訳 「金の十字架の呪い」
...自分の求めていたものが煙草でなくて燐寸であったことに気がついた...
中島敦 「虎狩」
...彼の記憶の中の「燐寸」という言葉...
中島敦 「虎狩」
......
中山啓 「先駆者」
...門を出て右の坂上にある或る長者(ちょうじゃ)の拵(こしら)えた西洋館などに比べると全くの燐寸箱(マッチばこ)に過ぎません...
夏目漱石 「行人」
...燐寸(マッチ)の灯(ほ)影の中へ浮びあがって...
久生十蘭 「キャラコさん」
...関東・東北では燐寸の御時世になっても...
柳田国男 「木綿以前の事」
...火鉢の中から出てきた燐寸(マッチ)の燃滓(もえかす)と紙を焼いた灰だ...
山下利三郎 「誘拐者」
...燐火の海のようにギラギラと眼界に浮かみ上っては又グウウ――ンと以前(もと)の闇黒の底に消え込んで行く凄愴(せいそう)とも...
夢野久作 「戦場」
...舶来の器械燐寸(まっち)を準備(ようい)していた...
夢野久作 「爆弾太平記」
...カトリツクの尼君昨夜(よべ)紐にて燐(りん)を釣られしなど語る人もおはしき...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...まるで灰色の闇にある燐(りん)だった...
吉川英治 「私本太平記」
...燐(りん)に似た眸が...
吉川英治 「私本太平記」
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