...メエテルリンクを訓して瞑照燐火(めいてるりんくわ)と云ひ...
芥川龍之介 「骨董羹」
...燐寸の燃えさしは路傍の小流に落したが...
泉鏡花 「遺稿」
...「鮹(たこ)の燐火(ひとだま)...
泉鏡花 「海の使者」
...」と片手に燐寸(マッチ)を持ったと思うと...
泉鏡花 「婦系図」
...――さっき青年上原君に燐寸を借りたでしょう...
海野十三 「蠅男」
...やがて警部が静にポケットから燐寸(マッチ)を取り出して擦ったが...
妹尾韶夫 「凍るアラベスク」
...燐寸工場で刷板部(すりはんぶ)の勇敢な女工の組織を彼女が中心になつて始めてゐたのだ...
武田麟太郎 「反逆の呂律」
...燐寸の軸のような電柱...
田中英光 「箱根の山」
...それから何處(どこ)へ行(い)つても恁(かう)して置(お)くんだ」商人(あきんど)がぼて笊(ざる)から燐寸(マツチ)を出(だ)さうとすると「又(また)燐寸(マツチ)ぢやあんめえ」お品(しな)は微笑(びせう)した...
長塚節 「土」
...彼は之を見て前へ屈んでは又屈んで燐みを乞うて居る...
長塚節 「菜の花」
...燐寸の軸木に用いる木はかなり限定された種類のものときいている...
中谷宇吉郎 「米粒の中の仏様」
...けれどもだんだん気をつけて見ると、そのきれいな水は、ガラスよりも水素よりもすきとほって、ときどき眼の加減か、ちらちら紫いろのこまかな波をたてたり、虹のやうにぎらっと光ったりしながら、声もなくどんどん流れて行き、野原にはあっちにもこっちにも、燐光の三角標が、うつくしく立ってゐたのです...
宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」
...この燐剤は、合っているらしくて、至って抵抗力の無い神経が疲れて、少しいらだって来たような時、スエコに素早く一服盛られて、案外の効果を示します...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...彼等の魂は、燐火のように、お互に触れ合わずに、只自分自身だけ照して行きたいのだ...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...燐(りん)のような光りに満ち満ちて来たことに気が付いた...
夢野久作 「怪夢」
...サッと見えた真槍(しんそう)の燐光(りんこう)...
吉川英治 「神州天馬侠」
...唇を燐(りん)のように光らした...
吉川英治 「山浦清麿」
...明らかに化学的なコーティングを伴うようになったのだが――恐らくは燐光性を保つため――そのコーティングのプロセスについては浅浮き彫りからははっきりしたことはめなかった...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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