...英臣は身心ともに燃ゆるがごとき中にも...
泉鏡花 「婦系図」
...赤く曇りて襤褸布(ぼろぎれ)の燃ゆるが如く...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...激越な燃ゆる魂の動きを聴き遁さないことである...
薄田泣菫 「独楽園」
...慈悲と恩愛に燃ゆる怒の焔(ほのほ)に滿面朱(しゆ)を濺げるが如く...
高山樗牛 「瀧口入道」
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種田山頭火 「旅日記」
...芸術家が製作するに臨んでは渾身ただ燃ゆるが如き製作欲があるばかりである...
津田左右吉 「芸術と国民性」
...たとえば、天智(てんじ)天皇のみ代だけについて見ても「是(この)歳(とし)水(みず)碓(うす)を造り而(て)冶(かね)※(わかす)」とか「始(はじめ)て漏剋(ろうこく)を用う」とか貯水池を築いて「水城(みずき)」と名づけたとか、「指南車」「水(みずばかり)」のような器械の献上を受けたり、「燃ゆる土、燃ゆる水」の標本の進達があったりしたようなことが、このみ代の政治とどんな交渉があったか無かったか、それはわからないが、ともかくも、当時の為政者の注意を引いた出来事であったには相違ない...
寺田寅彦 「自由画稿」
...熔鉱炉燃ゆる焔は...
直木三十五 「大阪を歩く」
...スポーツはまさに「燃ゆる力学(デイナミィク)」であるであろう...
中井正一 「スポーツの美的要素」
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野口雨情 「枯草」
...かつは情熱の燃ゆる瞬間にあらわれる一種の浅薄な感情と...
ホーソーン Nathaniel Hawthorne 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...その燃ゆるような山なみを...
堀辰雄 「美しい村」
...このマンジュシャゲの燃ゆるがごとき赤い花に対し...
牧野富太郎 「植物知識」
...痩せてよろ/\としながら猶燃ゆるが如き紅...
正岡子規 「小園の記」
...燭(しょく)に点火してその燃ゆるを守り...
南方熊楠 「十二支考」
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宮沢賢治 「疾中」
...或いは燃ゆるが如き太陽にやかれ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...いや、ご苦労であった」「お気に召さないかもしれませんが」櫛にからんでいた男の毛を、指の先に巻きながら――「けれど、たぶさに結んだ髪も、ほんに、よくお似合いなさいますこと」流し眼に、ジイと、燃ゆる思慕を...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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