...愛する者によつて掻き鳴さるる我が魂の慄へ(トレモロ)を熱愛するのである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...私はその娘を熱愛するといふほどではなかつたが...
石川三四郎 「浪」
...必ずしも私は熱愛することをしなかつた...
ヴァレリイ 坂口安吾訳 「〔翻訳〕ステファヌ・マラルメ」
...この世に只ひとり熱愛する夫を...
海野十三 「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」
...気狂いのように熱愛する弟様の暴力に一種の魅力をさえ感じたと仰しゃいました...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「蛇性の執念」
...一日も早く私の最も熱愛する妻の屍体の眠るウベニア丘に...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...ことにその裏まち――ノウトルダムの化物どもは巴里の裏町を熱愛する...
谷譲次 「踊る地平線」
...熱愛する恋人を弄り殺して剖き取った肉のようなものを貪ぼった――実人生を芸術化しようとして悶え苦しんだ...
種田山頭火 「雑信(二)」
...また人間が破壊と混沌をも前後を忘れるほど熱愛するのは...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...私は今の妻を熱愛する...
外村繁 「澪標」
...「詩人は偶然を熱愛する...
三木清 「ゲーテに於ける自然と歴史」
...最もはげしい愛憎のうちに現るゝ人間性を熱愛する意志と感情の育成に他ならない...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...この裡には何という歓喜と苦痛とその苦痛さえも熱愛する情熱がこもっていることでしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...妹を熱愛するとは見えなかった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...無釉またはこれに近い焼物を熱愛する習慣は西洋には見られぬ...
柳宗悦 「民藝四十年」
...君がパリを熱愛することだってまア久慈という日本人が愛しているのだ...
横光利一 「旅愁」
...ことに鶏血草の深紅(しんく)を熱愛する癖あり...
吉川英治 「江戸三国志」
...生を熱愛する私の感情と...
吉田絃二郎 「沈黙の扉」
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