...すべてのものに強い強い熱国の光彩が輝いているのであった...
寺田寅彦 「旅日記から(明治四十二年)」
...なにぶん熱国より気候の違った日本の土地に初めて参りましたこと故……」「あはははは」口上の申しわけ半ばに道庵が笑う...
中里介山 「大菩薩峠」
...熱国の人民は氷を見たることなし...
福沢諭吉 「経世の学、また講究すべし」
...赤色の美花を攅簇して開く(故に紅繍毬あるいは珊瑚毬の名もある)熱国の常緑灌木で我が内地には固(もと)より産しない...
牧野富太郎 「植物記」
...しかし支那では葡萄の古名は蒲桃であった(熱国に蒲桃すなわちフトモモという常緑樹があるが...
牧野富太郎 「植物記」
...熱国の強日に曝(さら)され汗が絹衣に徹(とお)る...
南方熊楠 「十二支考」
...「これは西南の熱国に威勢を振るっている八納洞長(のうどうちょう)の木鹿王(もくろくおう)に力を借りるしかない...
吉川英治 「三国志」
...恐らくそこに熱国の風物の反映があるのであろう...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...熱国の強烈な色彩というものを...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...その官能は馥郁(ふくいく)たる熱国の香料と滑らかな玉の肌ざわりと釣り合いよき物の形とに慣れている...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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