...すべての料理人は乾いた熟したエンドウ豆やでんぷん質の種は硬水中で煮ても柔らかくできないことを知っている...
フレデリック・アークム Fredrick Accum 水上茂樹訳 「食品の混ぜ物処理および調理の毒物(1820)」
...苺は触れるとポロリと落ちるまでに熟し...
石川欣一 「可愛い山」
...舊組織の傾覆の氣運が熟しなければ...
石川啄木 「A LETTER FROM PRISON」
...『このさくらんぼはまだ熟してゐないんだよ...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...殊に江戸文化の爛熟した幕末の富有の町家は大抵文雅風流を衒(てら)って下手(へた)な発句の一つも捻(ひね)くり拙(まず)い画の一枚も描けば直ぐ得意になって本職を気取るものもあった...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...敗亡の機はや熟してぞ見えし...
高山樗牛 「瀧口入道」
...もう相当にこの店とは熟していて...
中里介山 「大菩薩峠」
...その機縁がもう熟して...
中里介山 「大菩薩峠」
...二十一の成熟しきつた凝脂(ぎようし)...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...成熟し切ったお艶の姿に紛れもありません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...二十歳前後と見える成熟しきつた美しい娘が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...十一田の麦は足穂(たりほ)うなだれ茨(いばら)には紅き果熟し小河には木の葉みちたりいかにおもうわかきおみなよ「ああいかにおもう...
林芙美子 「泣虫小僧」
...諸学問が成熟した後世の吟味に耐える諸原理を発見するには...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...欧洲語に熟した人があつたら試みにこの歌を訳して見たらと私は思ふ...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...やはり南国の太陽の下に成熟したらしい...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ルイスヒェン」
...この鳥が啼き始めると麦がウンデ(熟して)来ると伝えている...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...熟した梅の実が朴の葉を擦り落ちるころだった...
横光利一 「旅愁」
...戦機は、熟しきっている...
吉川英治 「新書太閤記」
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