...實現の要求を煽る現在の心熱である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...背後(うしろ)に残って、砂地に独り峡の婆、件(くだん)の手を腰に極(き)めて、傾(かた)がりながら、片手を前へ、斜めに一煽(ひとあお)り、ハタと煽ると、雨戸はおのずからキリキリと動いて閉(しま)った...
泉鏡花 「悪獣篇」
...隙間風が湿りのきた障子紙をわびしい音をたてて煽ると...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...煽(あお)りに煽る火の手は雷門を渦の中へ巻き込んでとうとう落城させてしまいました...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...抗敵の思かれらの胸煽る...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...胸に火を煽るが如くにて御座候――」「海國兵談」の著者林子平は...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...その声は急に何かを煽るように響いた...
豊島与志雄 「囚われ」
...わざとその情を煽るやうな言動をせられた...
レオ・トルストイ Lev Nikolaevich Tolstoi 森林太郎訳 「パアテル・セルギウス」
...あの写真を借りてもどらう――さういふ突飛なおもひつきが更らに彼の郷愁を煽るのだつた...
原民喜 「永遠のみどり」
...彼は相手の競争熱を煽るために...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...その火を風で煽る如(やう)に...
平出修 「計畫」
...横から団扇で煽る...
北條民雄 「癩院記録」
...反感を煽る有様について語ったことをも...
宮本百合子 「現実の問題」
...そいつは」「煽るって...
山本周五郎 「さぶ」
...何々叢書と矢鱈(やたら)に金文字気分を煽るのは...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...ばたばたと煽ると...
蘭郁二郎 「鱗粉」
...むしろ狂熱的に殉教を煽るというような猪突的なものであった...
和辻哲郎 「鎖国」
...その悲嘆さえもが彼女の嫉妬を煽るにしろ...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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