...電光が煽られる嵐の時の空は本当に見ものだ...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...両手で私の腰を煽るようにした...
谷崎潤一郎 「恐怖」
...その大きな火焔は折から吹荒んでゐた北風に煽られて...
田山録弥 「島の唄」
...」寝台自動車は朝の爽やかな風にカアテンを煽らせながら...
徳田秋聲 「老苦」
...なんて云って私を煽(おだ)てる同級生もいたのだが...
徳永直 「戦争雑記」
...そうして炎々と燃えさかる情火に煽(あお)られて...
中里介山 「大菩薩峠」
...煽情的(せんじょうてき)な事件がなくとも...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...煽風機が熱くなって唸っていた...
葉山嘉樹 「乳色の靄」
...見る間に火の車に煽られて一万八千円と飛んだ...
牧野信一 「泉岳寺附近」
...一、プロレタリア童謠は如何に活用され得る性質のものであるか?無論、「煽×、宣×、組織の言葉」を標語とするプロレタリア詩の一分化であるから、當然プロレタリア童謠はプロレツト・カルトに役立つべきものである...
槇本楠郎 「プロレタリア童謠の活用に關する覺書」
...それを煽(あお)り立て護(まも)り立てた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...同時にそれが峯子たちの部屋の空気を煽ったとでもいうようにドアが勢いよくひらかれた...
「今朝の雪」
...俗衆の抱いたと同じ野心で煽られず...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...そのように自分がいたる処に煽(あお)りたてる熱情をどうしてやることもできないのを不満に思い...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...右の判決に煽動されて行われた無軌道的侵害は...
山下博章 「「プラーゲ旋風」の話」
...――煽(おだ)てに乗って張魯はたちまち力を得...
吉川英治 「三国志」
...しきりと煽動(せんどう)して...
吉川英治 「新書太閤記」
...さっきから、群集の中にまじって、煽動したり、自分も怒号したりしていたのであったが、黒が、血まみれになって、足もとへ帰ってきたのを見ると、もう、理性のささえを失ったように、「この野郎ッ」喚(わめ)いて、輦(くるま)のそばへ、寄ってきたかと思うと、腕をのばして、藤色の縁(ふち)に朱の絹房(きぬふさ)の垂れているそこの簾(すだれ)を、ぱりっと、力にまかせて、引き千断(ちぎ)った...
吉川英治 「親鸞」
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