...客と煽風機との間へ足を止(と)めた...
芥川龍之介 「葱」
...流れが煽(あお)って...
泉鏡花 「貝の穴に河童の居る事」
...盛んに我々の好奇心を煽(あお)ったものだ...
江戸川乱歩 「一枚の切符」
...隙間風が湿りのきた障子紙をわびしい音をたてて煽ると...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...六畳間の縁側にしゃがんで七輪(しちりん)をばたばた煽(あお)ぎ煮物をしながら...
太宰治 「春の枯葉」
...馬術の名手といわれる彼女は今馬を煽(あお)って...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...静かに水を煽(あお)って平泳ぎを続けるのもあるし――何のことはない...
谷譲次 「踊る地平線」
...出て来ては七輪を煽(あふ)いだ...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...煽がずして自然に燃え...
直木三十五 「南国太平記」
...それをどう間違えたか道庵が煽(おだ)てたのだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...炭を煽(あお)ぎはじめるやら...
中里介山 「大菩薩峠」
...もし山嵐が煽動(せんどう)したとすれば...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...中屋の主人を煽(おだ)てゝ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...私は幸福の風に文字どほりに煽られた...
堀辰雄 「ハイネが何處かで」
...「……ウソさ……真赤な嘘だよ」「……………」私の脳髄の全部が忽ち煽風機(せんぷうき)のような廻転を初めた...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...もはや群衆は中央部の煽動に完全に乗り上げた...
横光利一 「上海」
...聞くより嫉妬に煽(あお)られた残虐(ざんぎゃく)な相を現わし...
吉川英治 「剣難女難」
...さっきから、群集の中にまじって、煽動したり、自分も怒号したりしていたのであったが、黒が、血まみれになって、足もとへ帰ってきたのを見ると、もう、理性のささえを失ったように、「この野郎ッ」喚(わめ)いて、輦(くるま)のそばへ、寄ってきたかと思うと、腕をのばして、藤色の縁(ふち)に朱の絹房(きぬふさ)の垂れているそこの簾(すだれ)を、ぱりっと、力にまかせて、引き千断(ちぎ)った...
吉川英治 「親鸞」
ランダム例文:
原因を探る つきあわせる パブリック・ドメイン
便利!手書き漢字入力検索