...王冠の煩わしさ、厭わしさは、老練な医者がすすめる薬に似るとでもいおうか...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...地主家業の煩わしさをよく知っている私には...
橘外男 「仁王門」
...そうすることは一つ一つの事件の煩わしさを一掃(現世に関する限りでは)して...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...そして年々煩わしさの増して行く生活につれていろいろに分裂している自分の心持を支えきれないような気がしていた...
徳田秋声 「黴」
...小説の本質ある科学者がこういうことをいった――「科学に没頭していると人生の煩わしさを……人生そのものをも……忘れてしまう...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...アマリアの煩わしさや家主一家の者のおかしな様子などではなかったのと同じく...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...さりとて世間に交わる煩わしさは更に堪え難く...
豊島与志雄 「一つの愛情」
...つき纏(まと)われる煩わしさからのがれようためか...
中里介山 「大菩薩峠」
...おのずから学校となることには煩わしさを感じませんでしたが...
中里介山 「大菩薩峠」
...騒音の煩わしさ! 金属のぶつかり合う硬い機械の音の...
中島敦 「光と風と夢」
...新しい遺物に出逢うごとにその苦労を繰り返さねばならないほどの煩わしさだった...
野上豊一郎 「パルテノン」
...そうした煩わしさは彼女をいつまでも執拗(しつよう)なくらいにゆるさなかった...
長谷川時雨 「芳川鎌子」
...蚤の煩わしさも知らず...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...ただこの山の煩わしさから逃れるだけで...
宮嶋資夫 「恨なき殺人」
...あるはすすめられん煩わしさに堪えず...
森鴎外 「文づかい」
...この煩わしさを取り除いてくれればよいと思う...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...家に戻れば耐えられぬことの積み上って来る煩わしさから...
横光利一 「旅愁」
...それしきの煩わしさに敗れてお退(ひ)きになるはずはない」「では...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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