...」と兄哥(あにい)は照れた風で腕組みした...
泉鏡花 「歌行燈」
...お気に入りましたか星宮君」と軍医は照れたような薄笑いを浮べ...
海野十三 「恐しき通夜」
...その小函の中にどんな大事なものを入れてあったのでしょう」彼女はそこですこし照れたらしく唇を噛みながら囁(ささや)くようにいった...
海野十三 「鍵から抜け出した女」
...僕があなたを疑ったのは無理じゃないでしょう」紋三は照れ隠しに...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...何だかこちらが照れて横を向きたくなるじゃありませんか...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「機密の魅惑」
...「俺んとこもガリ(子供)ができた」女房子供を食わせなきゃならんから砂馬の子分になったと照れ臭そうに言った...
高見順 「いやな感じ」
...照れ臭(くさ)くなったぼくは...
田中英光 「オリンポスの果実」
...照れ隠しにあぶあぶとごまかしているのかも知れない)二三度それを繰り返して云ってから...
谷崎潤一郎 「鍵」
...いくらか照れ隠しもあるか知れぬが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...福子が照れ臭そうな調子で云うと...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...「あははは」お宮は仕方なく心持ち両頬を紅(あか)く光らして照れたように笑った...
近松秋江 「うつり香」
...過ぎしころは夜ごとに梟の鳴きつときけばふくろふの宵々なきし榧の樹のうつろもさやに照る月夜かもおなじく庭のうちなる樟の木の葉のきら/\とかゞやきたるを主の女の刀自のいとうつくしきものと稱ふれば我が刀自にかはりてよみける秋の夜の月夜の照れば樟の木のしげき諸葉に黄金かゞやく一日小雨...
長塚節 「長塚節歌集 上」
...ガラツ八の照れ臭い樣子を眺めて居ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...さぞ安心をするだろうと思ったのさ」平次は照れ隠しにそんな事を言わなければなりませんでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...マジマジと顏を見られるのがさすがに照れ臭かつたのでせう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...(おやじは、何十回となく、くりかえして聞く……坂田の言いちがい、……言いなおし……微妙なもののなかから、坂田の弱点を発見するんです……)才女だけのことはあって、由良は、観念して眉も動かさなかったが、芳夫のほうは、すっかり照れて、赤くなったり青くなったりしていた...
久生十蘭 「あなたも私も」
...段々照れて若者らしくペロリ...
宮本百合子 「明るい海浜」
...そんなことを敢てした由吉は少し照れたのであろう...
横光利一 「旅愁」
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