...しかし私はその鍋の底に溜った煎汁(せんじゅう)を眼を瞑(つむ)って呑み干そうと思う...
寺田寅彦 「厄年と etc.」
...妻君が莨(ろうとう)の煎汁を飲ませて夫を殺したつい最近の事件であった...
久生十蘭 「黒い手帳」
...金銀花(スイカズラ)の花の煎汁をそれぞれ二カデックス(約二合)ずつ...
久生十蘭 「新西遊記」
...そのかわりに七ラゲーナ(二升八合)の高貴薬の煎汁を収めたことになる...
久生十蘭 「新西遊記」
...印度大麻草の煎汁と...
久生十蘭 「新西遊記」
...骨についている腐肉を匙で掻きとって蒼朮(そうじゅつ)の煎汁で晒し...
久生十蘭 「新西遊記」
...加密爾列(カミツレ)の煎汁と樟脳の湿布を頬にあてていた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...その葉の煎汁で蘿蔔(だいこん)の害虫を除く...
南方熊楠 「十二支考」
...昆布の極く濃い煎汁(だし)を七分...
村井弦斎 「食道楽」
...それを鰹節(かつぶし)の煎汁(だし)とお酒と醤油とで二時間ほど気長に弱火(とろび)で煮て三分位の輪切りにし出します...
村井弦斎 「食道楽」
...別に美味(おいし)い鰹節の煎汁を拵えておいて薬味には大根卸(だいこんおろ)しに刻(きざ)み葱(ねぎ)焼海苔の揉(も)んだもの卸(おろ)し山葵(わさび)なぞを牡蠣の上へ載(の)せて今の煎汁をかけます...
村井弦斎 「食道楽」
...湯豆腐にするのでも何にするのでも葛を入れるのが一番です」妻君「その塩梅(あんばい)では餡の方にも好(よ)い事がありましょうね」お登和「餡は最初昆布(こぶ)と鰹節(かつぶし)で煎汁(にだし)をお拵えなさい...
村井弦斎 「食道楽」
...汁は鰹節の煎汁(だし)と醤油を煮立て大根卸しを添ゆ...
村井弦斎 「食道楽」
...たゞこの藥の煎汁を混じ始めた頃から...
柳田國男 「食料名彙」
...ただこの薬の煎汁を混じ始めた頃から...
柳田國男 「食料名彙」
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