...焦點は輪廓でないといふ大切な意識を取逃してゐるものである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...此時意識の焦點に立つものは唯自己のみである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...憔悴し切った顔に焦慮しているらしい胸の中(うち)をそのまま現わして...
コナンドイル Conan Doyle 三上於莵吉訳 「白銀の失踪」
...同じく放射線で焼け焦げた傷痕が...
外村繁 「日を愛しむ」
...毛穴から外へ吹き出よう吹き出ようと焦(あせ)るけれども...
夏目漱石 「夢十夜」
...恐ろしく陽に焦(や)けておりますが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...不安と焦躁にかられて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...幾度か私は彼を焦(ぢ)らすよりは喜ばせたいと思つた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...あの合唱である「恋に焦れて悶ふるやうに――」と高唱するのが慣ひになつてゐた...
牧野信一 「歌へる日まで」
...もし春早く山や野を焼きそこに数寸に萌出したススキがその表面を焼かれて黒く焦げている場合をスグロのススキと呼ぶのである...
牧野富太郎 「植物記」
...畳の焦痕(やけあと)が俄(にわか)に拡がりしように覚ゆ...
村井弦斎 「食道楽」
...その眼底に髣髴(ほうふつ)する焦燥をありありと燃え立てさせた...
室生犀星 「お小姓児太郎」
...現代の一切の学もその方向をこの焦点に集めてはいないであろうか...
柳宗悦 「工藝の道」
...穀物の焦げる香ばしい匂いが...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...夜の空を焦がしていた...
山本周五郎 「風流太平記」
...すぐにまた放心したような焦点の狂った眼をあらぬ方へそらしてしまう...
山本周五郎 「柳橋物語」
...一夜の空を焦(こ)がしてから後には――世人はあげて今さらのように...
吉川英治 「新書太閤記」
...この傾向を焦点として見れば...
和辻哲郎 「転向」
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