...或は野火や山火事に焦がされたり...
會津八一 「拓本の話」
...……あれだけに焦れたものを...
泉鏡花 「浮舟」
...黒焦(こ)げになった幹をくねらせて失心状態をつづけている...
海野十三 「海底都市」
...足袋の先を焦(こ)がすのであった...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...きっと申しつくるものに候」彼女の焦燥は深くなった...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...私はしばらくそこにいない方が女の焦立った気分を和らげるによかろうと思って...
近松秋江 「狂乱」
...自分一人がどんなに焦燥(やきもき)しても...
徳田秋声 「あらくれ」
...それには焦慮も不安もない落ち着いた友情が現われていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...不安と焦慮とが凝り固っていた...
豊島与志雄 「生あらば」
...元ほど焦燥(あせ)らない程度ながらも...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...その位置と、傷口をほんの一と通り調べた平次は、元の仏間に取って返すと、不安と焦躁に、遠巻の顔を一とわたり見廻してから、「草間さん、ちょいとお顔を」一番後ろの方に、落着き払って差控えた、草間六弥に声をかけた...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...」などと受け流しながら、酷く焦々とした...
牧野信一 「鏡地獄」
...飯が焦げるよなんまいだぶなんまいだぶなんまいだぶ」いきなり次郎吉は爺臭い声をだして...
正岡容 「小説 圓朝」
...私がその失敗の後に非常な焦躁(しょうそう)と不安とを感じたことをもって見れば私の企ての動機のなかに不純なものが含まれていたことは明らかである...
三木清 「語られざる哲学」
...漢の焦延寿の『易林』に巽(そん)鶏と為すとあれば...
南方熊楠 「十二支考」
...焦躁であつたロォヌ河が...
吉江喬松 「山岳美觀」
...瞼(まぶた)の中(なか)を焦(や)かれるような涙をもたずにいられなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...内に機を焦心(あせ)る味方から盲目的な口火を発してしまったのだ...
吉川英治 「新書太閤記」
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