...一番無難なのは、哲学者なぞ御馳走しない事だが、もし達(たつ)て饗ばなければならないとすると(渋沢男(だん)が孔子を先生扱ひにするやうに、一体富豪(かねもち)は凡(すべ)て哲学者が好きらしい...
薄田泣菫 「茶話」
...然(しか)し博士でもまだ思ひ付かない無難な方法が一つ残つてゐる...
薄田泣菫 「茶話」
...神様に預けた方が一番無難なからだ...
薄田泣菫 「茶話」
...遙かに無難な建前に立つことが出来る...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...これはまず役向の要求として無難なことであるとは思いました...
中里介山 「大菩薩峠」
...今までに知られている一番無難な可能性は...
中谷宇吉郎 「雨を降らす話」
...一つも無難なるものなし...
シモン・ニューコム 黒岩涙香訳 「暗黒星」
...集中無難な歌の一つで...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...情景相応した気持のよい出来栄えで乱れ髪の中では最も無難な歌の一つに数へられる...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...その中でこの歌など前の鏡の歌と共に先づ無難なものの一つであらう...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...「無難なのを少しは見せてもいい...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...あの人だけは入道してから真価が現われた人のように見受けます」「その娘というのはどんな娘」「まず無難な人らしゅうございます...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...無難な仮名字を手本にいろいろ集めたものだが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...御息所は無難な女性と見受けました...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...比較的無難なものを選んできても...
柳宗悦 「工藝の道」
...無難な方へ彼を避けさせようとしましたが...
吉川英治 「江戸三国志」
...私たちの古い亭主族をこうシツケてきた社会の過去罪といっておけばいちばん無難な言い方であるかもしれぬ...
吉川英治 「押入れ随筆」
...若年者であってしかも優(すぐ)れているということは――細川家へ仕官するには無難な資格であった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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