...無際限なただ一つの荒廃――その中に君だけが呼吸を続けている...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...象牙(ぞうげ)で無際限の変化――物象を真実に描写したものから...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...無際限の世界が唯モウ薄光の射した淡紅色(ときいろ)の世界で...
石川啄木 「菊池君」
...無際限に高い壁を築き上げたもんだ...
石川啄木 「散文詩」
...壁と壁との間が唯五間位しかないが無際限に高いので...
石川啄木 「散文詩」
...仰げば目も眩む程無際限に澄み切つて...
石川啄木 「赤痢」
...――却って「無限」ではなくして「無際限」でなければならないのである...
戸坂潤 「空間概念の分析」
...リーマンが空間の無際限 Unbegrenztheit とその無限 Unendlichkeit とを区別して前者を延長関係とし後者を計量関係とした(Ueber die Hypothesen, welche der Geometrie zugrunde liegen)ように空間の有限無限とは実は空間の結合そのものではなくしてその計量による結合である...
戸坂潤 「物理的空間の成立まで」
...ただリーマンが※eine unbegrenzt ausgedehnte Mannigfaltigkeit“と云うように一般に無際限と考えられるのである...
戸坂潤 「物理的空間の成立まで」
...無際限な挑戦だ! こういうような心持ちなんだ! ところで...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...それが無際限に連る...
豊島与志雄 「恩人」
...パリー全市は無際限な空虚のうちに捜してしまって...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...しかし闇夜は無際限である...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...広い無際限の野に出ていた...
豊島与志雄 「二つの途」
...わたしに対して無際限の減らず口を叩いた...
中里介山 「大菩薩峠」
...無際限に延長する時に絶對性を許すのではない...
波多野精一 「時と永遠」
...未組織のものへ、無際限なものへ、永遠のものへ、虚無へむかっての嗜好(しこう)――かれの使命とは正反対の、しかもそれ故にこそ誘惑的な、禁制の嗜好から愛するのである...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...藤原氏の無際限な権力に委ねてしまつた...
森鴎外 「歴史其儘と歴史離れ」
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