...無邪気に首を大きく振って肯いた...
海野十三 「蠅男」
...僕も今日から探偵小説の愛読者になろう」予審判事は無邪気に兜(かぶと)を脱いだ...
江戸川乱歩 「鬼」
...暖かい家庭で無邪気に談笑しているS子の姿がまざまざと浮んで来るのでした...
江戸川乱歩 「算盤が恋を語る話」
...場面から云えば艶(えん)な所であるけれども、太夫の声も三味線のひびきも一向場内に徹(とお)らないので、ただその可愛い二人の男女の動くのばかりを見ていると、文五郎などが使うような写実的な感じではなく、人形たちも村の子供と一緒になって、無邪気に、あどけなく、遊んでいるかのようである...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...自分はただ男の友達と無邪気に騒ぐのが好きなんだ...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...そして、「なあんだ、まだ訴訟してるのか」と、無邪気に、呆(あき)れたやうに云つた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...無邪気に書きつけてるのだった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...この無邪気にして...
中里介山 「大菩薩峠」
...その無邪気にして...
中里介山 「大菩薩峠」
...恥(はじ)とも思わず無邪気に重ねつつ移って行くうちに...
夏目漱石 「思い出す事など」
...今しがた君の家(うち)へ這入った女は全体何者だと無邪気に尋ねる勇気も出なかった...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...無邪気に眠つてゐる風を装うてゐたのだ...
牧野信一 「或る日の運動」
...女が何か言うと、男は無邪気に、優しく返事をした...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...そこの家の子供が無邪気に眠りこんでいるのを見て...
柳田国男 「故郷七十年」
...すなわち最初普通名詞として無邪気に用いていたのが...
柳田國男 「地名の研究」
...たまたま無邪気にそれを食べた一人だけが...
柳田国男 「年中行事覚書」
...」今まで無邪気に天空で戯れていた少年が人のいない周囲を見廻(みまわ)し...
横光利一 「微笑」
...」この老婆は立てつづけにべらべらと無邪気に喋り散らすかと思うと...
横光利一 「夜の靴」
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