...朝夕隔てなく無邪気に暮して来たのである...
伊藤左千夫 「春の潮」
...無邪気なる人は自己の無邪気に関して語らない...
エレン・ケイ 伊藤野枝訳 「恋愛と道徳」
...罪の道伴(みちづ)れとなった不運の宗一の可憐な写真や薄命の遺子の無邪気に遊び戯れるのを見ては誰しも涙ぐまずにはいられなかった...
内田魯庵 「最後の大杉」
...もっと、いいとこもあるんです」素直に思っていることを、そのまま言ってみたら、それは私の耳にも、とっても爽やかに響いて、この二、三年、私が、こんなに、無邪気に、ものをはきはき言えたことは、なかった...
太宰治 「女生徒」
...無理に明るく無邪気に振舞おうと努めているようなところが...
太宰治 「鉄面皮」
...自分はただ男の友達と無邪気に騒ぐのが好きなんだ...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...また無邪気に笑った...
豊島与志雄 「塩花」
...そしていかにも無邪気にそれをつとめたので...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...ひどく無邪気にも見え...
豊島与志雄 「旅だち」
...子供っぽく無邪気にも見えれば...
豊島与志雄 「女客一週間」
...賞められた金伽羅は無邪気に嬉しがって...
中里介山 「大菩薩峠」
...お雪ちゃんの不安はそのところから始まりました――それがない時には、無邪気に、晴れやかに、誰にも同じように愛嬌(あいきょう)を見せ、同じように可愛がられているお雪ちゃんが――ふとそのことに思い当ると、暗くなります...
中里介山 「大菩薩峠」
...無邪気に酔倒しているのではないことを直感しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...無邪気にこの社会の機構が思いつかせる悪計に利用されているのです...
宮本百合子 「現実の道」
...無邪気にうれしそうにして院の前へおいでになったのも哀れであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...子供たちが無邪気に...
柳田国男 「故郷七十年」
...すなわち最初普通名詞として無邪気に用いていたのが...
柳田國男 「地名の研究」
...お茶とお菓子だけよ」「お客がないね」「……………」小娘は無邪気に笑った...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??