...朝夕隔てなく無邪気に暮して来たのである...
伊藤左千夫 「春の潮」
...無邪気なる人は自己の無邪気に関して語らない...
エレン・ケイ 伊藤野枝訳 「恋愛と道徳」
...存じませんわ」令嬢は無邪気に答える...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...無邪気に遊ぶのを好んだことは...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...暖かい家庭で無邪気に談笑しているS子の姿がまざまざと浮んで来るのでした...
江戸川乱歩 「算盤が恋を語る話」
...無邪気にはしゃいで甘える事も出来ず...
太宰治 「十二月八日」
...そのひとは忽まち無邪気に大笑いし...
田中英光 「さようなら」
...そして、「なあんだ、まだ訴訟してるのか」と、無邪気に、呆(あき)れたやうに云つた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...「大したことはありませんでしょうな? 村医さんもそう申しましたが」神官は無邪気に聞く...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...重吉のほうが自分よりはるかに無邪気に見えたに違いない...
夏目漱石 「手紙」
...今しがた君の家(うち)へ這入った女は全体何者だと無邪気に尋ねる勇気も出なかった...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...それを無邪気に合図しあつてゐるのだらうか...
原民喜 「心願の国」
...調子を合せるほど無邪気にはなれなかった...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...無邪気に遣(や)つてのけた所は善いが...
正岡子規 「病牀六尺」
...されど無邪気に、小児の如き心を以て所謂古聖人を研究すれば、吾人と左程の懸隔なき人間に過ぎぬ...
正宗白鳥 「論語とバイブル」
...無邪気に食を求めて狼の乳を吸い...
柳田国男 「山の人生」
...彼れは唯ニヤリ/\と無邪気に笑ひつゝありしのみなりき...
山路愛山 「透谷全集を読む」
...」ボートルレはたいへん無邪気に話すので...
モーリス・ルプラン 菊池寛訳 「奇巌城」
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