...単に抽象的にこの歴史的地理的環境から引き離して民族性を考えることは人間心理の発展過程を無視したものであろう...
石原純 「日本文化と科学的思想」
...この椿岳の女道楽を単なる漁色とするは時代を無視した謬見(びゅうけん)である...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...こんなに人格を無視した監禁(かんきん)をするなんてけしからんじゃないですか」僕は大憤慨(だいふんがい)をして...
海野十三 「海底都市」
...僕はその地方色というものを無視したいのである...
高村光太郎 「緑色の太陽」
...マア坊の友情を無視したという形である...
太宰治 「パンドラの匣」
...無視したものである...
津田左右吉 「日本歴史の研究に於ける科学的態度」
...日刊全廃というような問題を直ちに実行問題として考えるという事はあまりに現実を無視した痴人の夢であるかもしれない...
寺田寅彦 「一つの思考実験」
...個人と個人との境界を無視した温い抱擁的なものだった...
豊島与志雄 「反抗」
...内容を無視した形式だけの肉声で...
中里介山 「大菩薩峠」
...それにしても、主人を無視した、乱暴な仕打ちであると考えさせられました...
中里介山 「大菩薩峠」
...人倫を無視した程度にまでの歓楽に酔っていたわけでもないのに...
中里介山 「大菩薩峠」
...ほとんど自分の要求を無視したように取り合わなかった...
夏目漱石 「行人」
...あきらかに史実を無視した宣伝であった...
蜷川新 「天皇」
...マリ・アントワネットは昂然として突っ立ったまま、それを無視した...
野上豊一郎 「パリの地下牢」
...リズムも音節も無視した無形式の楽句を...
久生十蘭 「あなたも私も」
...この「証言」を無視したりしている...
平林初之輔 「日本の近代的探偵小説」
...斯様(かよう)な無礼を働らいて神慮を無視したために勤王の義兵でありながら一敗地に塗(まみ)れた……』衣冠束帯の神主が得意然とここまで喋舌(しゃべ)って来た時に...
夢野久作 「近世快人伝」
...その将来の幸不幸を無視した盲目に迄はなりきれない彼であった...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
便利!手書き漢字入力検索