...仁右衛門は無表情な顔をして口をもごもごさせながら馬の眼と眼との間をおとなしく撫(な)でていたが...
有島武郎 「カインの末裔」
...同じ人の手にかかって死ぬのです」無表情な声が...
江戸川乱歩 「悪霊」
...彼女は立上って無表情な顔で一つ所を見つめていた...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...無表情な顔で、うん、うんと聞いているばかりです...
江戸川乱歩 「鉄塔の怪人」
...その無表情な眼はこがね虫のやうにのつそりと小壺の胴を這ひました...
薄田泣菫 「小壺狩」
...酒を水でも飲むような無表情な顔で悠然と飲んでいる...
高見順 「如何なる星の下に」
...」青年の無表情な質問に...
太宰治 「火の鳥」
...やや無表情なにこやかな様子をしていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...皺(しわ)の寄ったざらざらした凸凹(でこぼこ)の無表情な広い額...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...あの無表情な面に深刻な反省があり...
中里介山 「大菩薩峠」
...絶望に曇つた無表情な眼...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...それは口までつきあげてきたが、硬い、無表情な、杉乃の顔を見ると、つい云いそびれて、そのまま外へ出た...
山本周五郎 「竹柏記」
...魯鈍(ろどん)と狡猾(こうかつ)の混りあった肉の厚い無表情な顔で...
山本周五郎 「風流太平記」
...船長は相も変らず渋紙色の無表情な顔をして...
夢野久作 「難船小僧」
...依然として無表情な眼付きで...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...いつもの無表情な東野が唇を割り...
横光利一 「旅愁」
...神官に似たあんなに無表情な沈黙に僧を還らせるのも...
横光利一 「旅愁」
...無表情な秣掻(まぐさか)きはわたしの笑顔に応えてもくれない...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
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