...無能な教育家は何處に行つたつてあるものぢやない...
石川啄木 「葉書」
...一番無智無能な自分が何にも出来ずに家の中でぐず/\してゐるのだ...
伊藤野枝 「乞食の名誉」
...弱く無能なのだから...
太宰治 「創生記」
...どうにかなろうという無能な思念で...
太宰治 「東京八景」
...そののろまで無能な私も...
豊島与志雄 「小さき花にも」
...あんな無能な警察の短い手のとどかない遠い所へ逃げてしまったのであろう...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...しかも平生の自分より遥(はる)かに無力無能な赤子(あかご)であると...
夏目漱石 「門」
...無能なところが上等なのである...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...無能な道案内だとは思つたがあきらめることにして...
野上豐一郎 「湖水めぐり」
...家付の無能な子供たちは裏の菜園で黙黙として土いじりをしていたり...
野上豊一郎 「七重文化の都市」
...しかも誠に無能な二人であつた事を思出さずに居られない...
長谷川時雨 「三十五氏」
...ゆき子のやうな無能な女が呼びよせられる必要もないではないかと...
林芙美子 「浮雲」
...「――旧仙台藩のご一門にあたる伊達どののご家老阿賀妻氏です、開拓の仕事については拙者の盟友です、覚えておきなさい――全く」と彼は初めて阿賀妻に向って話しだした、「これだから困りますよ、中央のものは現地の事情をわきまえず軽べつすることだけを知っておる、無能な、昔の幕吏そのままの役人が多すぎる――あ、俥が来た、あとで宿の方にお連れ申してくれ、じゃ」彼は属官に合図した...
本庄陸男 「石狩川」
...自身の無能なことは承知しながらも少年時代から深く御信頼して...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...当時の無能な顕官たちを指すのであろう...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...心からお詫びをした時と同じ気持になりながら……そうして今となっては同じようなお詫びをイクラ繰返しても追付かなくなった彼自身の無能な立場に気付きながら……...
夢野久作 「老巡査」
...ただちにあの無能な老爺(おやじ)を焚殺(やきころ)せ」と...
吉川英治 「三国志」
...敵を屈服せしめないでいるのが――無能な長陣のように...
吉川英治 「新書太閤記」
便利!手書き漢字入力検索