...彼と結婚をするまではまるで無知な子供であった私は足掛け五年の間に彼に導かれ...
伊藤野枝 「成長が生んだ私の恋愛破綻」
...ローマの眼科医またネロの時代には非常に無知な眼科医たちもローマにいたが...
ジェイムズ・サンヅ・エリオット James Sands Elliott 水上茂樹訳 「ギリシャおよびローマ医学の概観」
...どんな百姓でも、無知な人間でも、戦争ッていえば一生懸命ですからな……天子様も国民の後援があって、さぞ御(み)心丈夫でいらっしゃるでしょう」と感嘆したような調子で言って、「日本は昔からお武士(さむらい)でできた国ですからなア!」大家(おおや)はまた釣の話をして聞かせることがあった...
田山花袋 「田舎教師」
...これほど無意味な僣越な無知な言葉はあるまいと私は思ふ...
田山録弥 「現代と旋廻軸」
...無知な庶民に向って知識を与えるためのポピュラリゼーション(通俗化)などとは別であったように...
戸坂潤 「科学論」
...併し不便な服装をした交通感覚に無知な婦人達などに対しては...
戸坂潤 「思想としての文学」
...従って又之ほど無知な反感を招くものはないように見える...
戸坂潤 「思想としての文学」
...無知なくせにマセた人間も特に少なくないだろうから...
戸坂潤 「思想としての文学」
...世間の無知な一群の人間へ与えるのである...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...学者が書いた小説だということが(学者という意味が何であれ)無知な人間にも文化人にも...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...無知な者は、罪を犯(おか)す時まではそんなに大それたことと思わないでいて、犯した時に至って初めて、その罪の大きかったのに仰天(ぎょうてん)する...
中里介山 「大菩薩峠」
...無知な母親はただその感情のおもむくままに...
羽仁もと子 「おさなごを発見せよ」
...無知なサクは、ただ金が必要なために、奸計にやすやすと陥って、永田杢次に、いろいろな証書に、署名捺印させた...
火野葦平 「花と龍」
...ひたすらに無知なる性急に逆上して...
牧野信一 「鱗雲」
...性的にはまるつきり無知なんですよ...
三好十郎 「肌の匂い」
...その無知な兵卒のために...
村山俊太郎 「子どもの世界」
...無知なる者も救われるとは...
柳宗悦 「工藝の道」
...そのような徹底は恐らく矛盾を意識しない無知な妥協の安逸か...
和辻哲郎 「転向」
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