...現身に立出で給へと求め奉る事の無益なるは勿論ながら...
マルセル・シュヲブ Marcel Schwob 上田敏訳 「法王の祈祷」
...自然淘汰説に従えば衛生は有害無益なものであるかのごとくに考えられ...
丘浅次郎 「進化論と衛生」
...やけでないまでも無益なえらがりである...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...然(しか)し当節のように何も彼(か)も一概に綺麗なものや手数のかかったもの無益なものは相成らぬと申してしまった日には...
太宰治 「三月三十日」
...無益なる法則概念が成立するであろう...
戸坂潤 「科学方法論」
...主人達の使う道具の分際では政治などという観念は有害無益なことだ...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...無益な夢想からぬけだした野人にすぎない...
豊島与志雄 「常識」
...しかし今や彼は、無味乾燥な、ばかな、愚かな、無益な、自惚(うぬぼれ)の強い、いやな、無作法な、ごく醜い男としか、彼女には思われなかった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...無益なことを――」口早に...
直木三十五 「南国太平記」
...無益なものに贅(ぜい)を尽(つく)すなと申すのではないか...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...無益な殺生を慎むようになるだろう...
永井隆 「この子を残して」
...油と虫となる理想! ――言葉は既に無益なるのみ...
中原中也 「地極の天使」
...決して無益な事とは思はれない...
夏目漱石 「「額の男」を讀む」
...夢中になって無益な身動きをつづけているさまは...
久生十蘭 「金狼」
...彼らは、尨大な人間の努力が、些々たる無益な、時には有害なことに浪費されているのを見、これは全然無くて済むかまたはもっと有効に使用出来るはずであると考える...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...それは無益な事だといひたく思ひます...
水野仙子 「響」
...この百ヵ日にあまる無益な苦しみは...
横光利一 「夜の靴」
...好んで無益な人死にを見ようとするか」「つべこべと...
吉川英治 「宮本武蔵」
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