...手前どもの商売上お名前までは申し上げ兼ねますが」葉子もこの上の問答の無益なのを知ってそのまま番頭を返してしまった...
有島武郎 「或る女」
...この感想は無視さるべき無益なものであろう...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...主人達の使う道具の分際では政治などという観念は有害無益なことだ...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...将校が胸に秘めてる抑圧された反抗心と無益な行動...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...「麻雀は娯楽でなく無益な労働だ...
豊島与志雄 「十一谷義三郎を語る」
...そしてこういう無益な反故こそ...
豊島与志雄 「話の屑籠」
...「無益な犠牲を払うの要はない...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...大きな声では申されませぬが私共(わたくしども)の考えますには無益なものに手数(てすう)をかけて楽しんでいられるようなら此様(こんな)結構な事はないじゃ御座いませんか...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...そしてそこから一歩でもその真実の姿を見るために努力をすることは無益な事ではない...
中谷宇吉郎 「雪」
...警戒却て無益なり前の鵜(う)ノ島(しま)の話に引替えて...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...我邦の婦人は無益な遊び事にかかると時間の長いのや直段の高いのを少しも厭(いと)いません...
村井弦斎 「食道楽」
...淘汰して玉を存ずる批評の道は必ずしも無益ならじ...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...余計な仕業や無益な考えや企てを捨てる...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...これに伴う無益な焦慮...
柳宗悦 「工藝の道」
...それを無益な冒険...
柳宗悦 「工藝の道」
...時代が下降するにつれて技巧は無益な煩雑を重ねた...
柳宗悦 「民藝四十年」
...決して無益なことではない...
吉江喬松 「山岳美觀」
...この無益な我と我が身に向ふ狂怒から防がれて...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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