...仏軍の無為に乗じて墺将カールはライン方面より転進し来たり...
石原莞爾 「戦争史大観」
...毎日々々たいして悪くもない体を床に横たへて無為に暮す私のさびしい今の心持ちでは...
伊藤野枝 「日記より」
...瞬間の無為に微笑みとともに投げ込んでしまったのである...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...無為に魂をすりつぶしてゐるのは...
武田麟太郎 「大凶の籤」
...然らば如何(どう)する? だらしなく無為に朽(く)ちるか...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...しかしてその無為にして化する底(てい)の性質は...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...対象がなく無為に陥って微睡していた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...老後の彼についてはただ無為にして化したとばかりで...
中島敦 「名人伝」
...私はこの一夏(ひとなつ)を無為に過ごす気はなかった...
夏目漱石 「こころ」
...それは無為にして化する恋でした...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...東発の部屋で、スチーム無くとても寒い中、無為に待ち、待ち、待つ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...無為に暮した日を追想することであった...
本庄陸男 「石狩川」
...無為に然も急速に時がたって...
松永延造 「職工と微笑」
...彼は無為にして生きてきた...
山本周五郎 「似而非物語」
...無為に生きながらえている非行を責めようと...
吉川英治 「江戸三国志」
...これは相変らず無為に父や兄の脛(すね)をかじっている一個の放浪児でしかありません...
吉川英治 「江戸三国志」
...この形勢を無為に見ているものではない...
吉川英治 「三国志」
...しかし出家は恩をすてて無為に入ったものである...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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