...それは無残にもこんなものだつた...
芥川龍之介 「夢」
...無残にも踏み殺されたものであって...
海野十三 「空襲葬送曲」
...あのか細い喉を無残に刳(えぐ)った奴は...
江戸川乱歩 「悪霊」
...その男の――越野が火事場で出逢った男の――妙子を無残に焼殺した男の――而かも...
江戸川乱歩 「恐ろしき錯誤」
...しかも、無残に殺されて、どこの誰とも分らぬ奴に、あの可憐な心臓を、むごたらしく抉られて...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...一まとめにするとなると無残にやられてしまった...
ピョートル・アレクセーヴィチ・クロポトキン Pyotr Alkseevich Kropotkin 大杉栄訳 「青年に訴う」
...煉瓦の間にはさまれた石が火に焼けて無残に欠け落ちたままになっている...
高浜虚子 「丸の内」
...ある切り通しの崖(がけ)の上に建てた立派な家のひさしが無残に暴風にこわされてそのままになっているのが目についた...
寺田寅彦 「写生紀行」
...無残にも足を踏みすべらして...
中里介山 「大菩薩峠」
...無残にも蛙の夫婦を殺して行くものだから...
夏目漱石 「門」
...手も足も無残に垢(あか)に塗(まみ)れたのが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...荒れ果てた墓地をまえに無残につぶれている古寺の屋根と...
林不忘 「あの顔」
...フランス王ルイ十七世の無残にも衰頽した姿であった...
久生十蘭 「カストリ侯実録」
...玻璃(はり)の大鏡が無残に毀(こわ)れた床に墜ち散っている部屋もある...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...陳が背後(うしろ)から追付いて無残に匕首で突刺したのだと申しました」源内先生は...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...ああ無残にも間に合わなかったか...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...画幅を無残にして遺憾のない大きな文字で...
吉川英治 「江戸三国志」
...戸障子は八方へ無残に倒れ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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