...それは無残にもこんなものだつた...
芥川龍之介 「夢」
...無残にも谷底へすべり落ちて死んでしまったんだ...
有島武郎 「星座」
...地面の上に敷かれた美しい錦の若葉を無残にも喙(ついば)み尽した...
魯迅 井上紅梅訳 「鴨の喜劇」
...其傍に無残に厚硝子を破(こわ)された飾棚が片足折れて横たに倒れそうに傾いていた...
内田魯庵 「灰燼十万巻」
...無残によごれた長椅子と...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...一まとめにするとなると無残にやられてしまった...
ピョートル・アレクセーヴィチ・クロポトキン Pyotr Alkseevich Kropotkin 大杉栄訳 「青年に訴う」
...せっかく頭の中にもっている「過去」の幻影を無残に破壊される場合が多い...
寺田寅彦 「帝展を見ざるの記」
...十二月も早や二十日過ぎなので、電車の馳(は)せ行く麹町(こうじまち)の大通りには、松竹(まつたけ)の注目飾(しめかざ)り、鬼灯提灯(ほおずきちょうちん)、引幕(ひきまく)、高張(たかはり)、幟(のぼり)や旗のさまざまが、汚(よご)れた瓦(かわら)屋根と、新築した家の生々(なまなま)しい木の板とに対照して、少しの調和もない混乱をば、なお更無残に、三時過ぎの日光(ひかげ)が斜めに眩(まぶ)しく照(てら)している...
永井荷風 「深川の唄」
...無残に大の男の首をしめてしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...今迄自分の織成した美しい繭を無残に喰破らねばならぬのである...
中島敦 「光と風と夢」
...氷は無残にもバリバリとはじけ切れているのであって...
中谷宇吉郎 「スポーツの科学」
...玉の肌は無残にも傷付いて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...無残にも引歪められた口から...
野村胡堂 「死の舞踏」
...無残にも摘取って地獄の口へ追いやってしまった...
久生十蘭 「湖畔」
...武太郎の無残に切断された右大腿部(だいたいぶ)の内側に銃砲による弾痕(だんこん)を密(ひそ)かに発見して...
松本泰 「暴風雨に終わった一日」
...胴体ばかり無残に打ち捨てられてあって...
吉川英治 「剣難女難」
...梶川与三兵衛の膝の下に、鬢(びん)が乱れて、烏帽子の紐も外(はず)れた顔を、無残に、捻(ね)じ伏せられている内匠頭の血に充ちた耳が、彼の眼へ、飛びこんでくるように映った...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...8ドリアンの心臓は無残に引き裂かれた...
渡辺温 「絵姿」
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