...僕等は無残にもひろげられた跡を向う両国へ引き返しながら...
芥川龍之介 「本所両国」
...無残にも谷底へすべり落ちて死んでしまったんだ...
有島武郎 「星座」
...無残にも妾が雄を噬みころし...
巌谷小波 「こがね丸」
...ある切り通しの崖(がけ)の上に建てた立派な家のひさしが無残に暴風にこわされてそのままになっているのが目についた...
寺田寅彦 「写生紀行」
...その暁、私は、無残にも、取り返しのつかぬ事を、されてしまったのである...
直木三十五 「死までを語る」
...およそ近世の文学に現れた荒廃の詩情を味(あじわ)おうとしたら埃及(エジプト)伊太利(イタリー)に赴(おもむ)かずとも現在の東京を歩むほど無残にも傷(いた)ましい思(おもい)をさせる処はあるまい...
永井荷風 「日和下駄」
...無残に大の男の首をしめてしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...ただ今トンネルの出口に顔の形もないように無残に轢殺(れきさつ)された一人の男が発見された...
モーリス・ルブラン Maurice Leblanc 婦人文化研究会訳 「探偵小説アルセーヌ・ルパン」
...いかに無残にそれを引きずりまわしこづきまわすことか...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...無残にも絶息している事が確かめられましたが...
夢野久作 「一足お先に」
...近い一本の電柱は大地へ無残に打ち込んだ巨きな釘の心地...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...画幅を無残にして遺憾のない大きな文字で...
吉川英治 「江戸三国志」
...無残に殺害されたとある...
吉川英治 「大岡越前」
...胴体ばかり無残に打ち捨てられてあって...
吉川英治 「剣難女難」
...無残に敗北してしまった...
吉川英治 「剣の四君子」
...無残に削(けず)りとられているのを見て...
吉川英治 「私本太平記」
...無残にまでつよく自己を生かして来た大きな張りを失っていた...
吉川英治 「私本太平記」
...無残に引ッ掴んで...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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