...ですから杜子春は無残にも...
芥川龍之介 「杜子春」
...重い砂土の白ばんだ道の上には落ち椿(つばき)が一重(ひとえ)桜の花とまじって無残に落ち散っていた...
有島武郎 「或る女」
...無残にも刺し殺してしまいました...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...無残にこの世を去ってしまったからである...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...その歯車に連なる精巧な旋回装置は無残にも粉砕されて...
大阪圭吉 「灯台鬼」
...毛臑(けずね)が無残に露出している...
太宰治 「乞食学生」
...無残にも馬は内臓をそこに露出して...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...無残にも霊山を食い物にしている...
中里介山 「大菩薩峠」
...修繕の工夫はないものか知らんと、知らず識(し)らず与八は、もうすでに片肌ぬぎになっていた絵馬の全身を露出させてしまって見ると、無残にも、それはホンのハズミに踏んだばかりですけれども、与八の馬鹿力で一たまりもなく、真二つに踏み裂かれてしまっていて、繕(つくろ)うべき余地もありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...無残に引き釣ります...
野村胡堂 「死の舞踏」
...フランス王ルイ十七世の無残にも衰頽した姿であった...
久生十蘭 「カストリ侯実録」
...山山が顔そむけたる心地すれ無残に見ゆる己れなるべし山を見るに...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...今や無残にも取り払われてただ叢(くさむら)の中に散らばっているばかりである...
柳宗悦 「民藝四十年」
...無残に喰い荒された漬物の鉢と...
夢野久作 「いなか、の、じけん」
...胴体ばかり無残に打ち捨てられてあって...
吉川英治 「剣難女難」
...無残に敗北してしまった...
吉川英治 「剣の四君子」
...無残に掻(か)き(むし)られているなどの例も...
吉川英治 「私本太平記」
...胸の只中をナイフで無残に刳(えぐ)られた赤い創口(きずぐち)とを見た...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「青蠅」
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