...目の上を両手で無慚(むざん)に引擦(ひっこす)ると...
泉鏡花 「婦系図」
...当時までまだ誰にも知られなかった無慚(むざん)な一つの事件が明らかにされた...
海野十三 「蠅男」
...見るも無慚(むざん)なあの死に方...
江戸川乱歩 「恐ろしき錯誤」
...無慚(むざん)な! こゝに若殿(わかとの)が殺(ころ)されてござる...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...何人を彼は無慚に斃せしぞ! 悲哀かくして我にあり...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...多く流血の無慚の日數過したり...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...』メーオリネース、思慮深き勇士答へて彼にいふ、『青銅鎧ふクレーテス族を導くイドメネー、 255陣中君の殘したる槍もしあらば取らんため、戰場よりし歸り來ぬ、先きに我が手に取りし槍、無慚や*折れぬ、高慢のデーイポボスの盾打ちて...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...いみじき我の川流は屍體に滿ちて、溢るれば、我は聖なる大海に水を搬ぶを得べからず、汝、無慚に人を討つ、その凶暴を今止めよ、 220あゝ勇猛のアキリュウス汝は我を驚かす!』脚神速のアキリュウス答へて即ち彼に曰ふ、『スカマンダロス、天王の愛兒、汝の命のまま成るべし、されど城中にトロイア軍を追ひ攘ひ、敵ヘクト,ルと相向ひ、彼と我との勝敗を 225決する前は、驕傲の彼らを殺すこと止(や)めず...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...無慚に害すことをせず...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...『あゝ無慚なり、もろ/\の神明われを死に呼べり...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...斯く塵埃に其頭まみれ汚るゝ無慚なる 405姿眺めて...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...榮(さか)行くわが子幾人を彼は無慚に斃せしか!さはれ彼らの一切を悲しみ乍ら...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...無慚なる死體を嘆く衆照す...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...よくならされた灰は無慚(むざん)にも掻き荒され...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...見るも無慚な顏容(かほかた)ちです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ということは無慚(むざん)であり人倫に反する...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...その年九月の大荒れで無慚や大破...
山本笑月 「明治世相百話」
...そして血糊(ちのり)の上から、膝の傷口を捲きしめると、彼の精気は再び月光の世界に、はっきりと蘇生(よみがえ)ってきたが、同時に、あたりを見廻して、いまし方の、無慚な不覚が、彼の血潮の中にむらむらと無念を燃え立たせてきた...
吉川英治 「剣難女難」
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