...他人の罪過を無慈悲に責めないと云ふ意味に於いても...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...無慈悲にその若い女王達をきれ/″\になるやうに喰ひ裂く...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...無慙(むざん)にも無慈悲にも余の生命(いのち)より貴きものを余の手よりモギ取り去りし時始めて予察(よさつ)するを得たり...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...二人はべつべつの檻房で無慈悲に追及された...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...いままでよりいっそう無慈悲に彼は闘うであろう...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...あまりの無慈悲に私は思はず顔をそむけました...
太宰治 「右大臣実朝」
...平穏なしかも恐ろしいしかも無慈悲にもひとり満足せる精神である...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...婦人のみならず全勤労大衆をますます無慈悲に資本の支配下に屈従せしめることに役立っているにすぎない...
野呂栄太郎 「十月革命と婦人の解放」
...最も無慈悲に行われる...
平林初之輔 「昭和四年の文壇の概観」
...無慈悲に淘汰されてゆく...
平林初之輔 「昭和四年の文壇の概観」
...彼女は、私を洗面臺に引つぱつていつて、石鹸と水と硬(かた)いタオルをとつて、無慈悲に、だけど幸ひにも簡單に、顏と手を摩擦(まさつ)した...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...灰色の瞳が冷たく無慈悲に光り...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...無慈悲にも彼に文科をすゝめた...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...連中の罪悪は徹底的に無慈悲に追求される必要があります...
三好十郎 「廃墟(一幕)」
...間もなく電燈が無慈悲に一燈ものこさずに消された...
室生犀星 「神のない子」
...わかつたかい?」そう云いながらその男はさきほどあんなに無慈悲にぶんなぐつた頭を恐れげもなく軽く叩いた...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...どんなに無慈悲にタタキ落して行きましたことか……...
夢野久作 「少女地獄」
...無慈悲にして心至らねば...
和辻哲郎 「埋もれた日本」
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