...獨身の老人には無慈悲に取りつくあの錆ついた融通の利かない習癖に煩はされずに濟んでゐた...
アーヴィング 高垣松雄訳 「クリスマス・イーヴ」
...他人の罪過を無慈悲に責めないと云ふ意味に於いても...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...無慙(むざん)にも無慈悲にも余の生命(いのち)より貴きものを余の手よりモギ取り去りし時始めて予察(よさつ)するを得たり...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...無慈悲にも縦横に曳きずり歩いた少年の頃の私みづからの姿だ...
薄田泣菫 「独楽園」
...二人はべつべつの檻房で無慈悲に追及された...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...いままでよりいっそう無慈悲に彼は闘うであろう...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...あまりの無慈悲に私は思はず顔をそむけました...
太宰治 「右大臣実朝」
...萬一敵に見出されてもあながち無慈悲には扱うまい...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...なお無慈悲に言いつづけた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...「ちぇィッ」無慈悲にその肩を左に開くと...
中里介山 「大菩薩峠」
...無慈悲に破壊したのは...
夏目漱石 「道草」
...婦人のみならず全勤労大衆をますます無慈悲に資本の支配下に屈従せしめることに役立っているにすぎない...
野呂栄太郎 「十月革命と婦人の解放」
...無慈悲にも頭へ尿(ピピ)までひっかけた...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...彼女は、私を洗面臺に引つぱつていつて、石鹸と水と硬(かた)いタオルをとつて、無慈悲に、だけど幸ひにも簡單に、顏と手を摩擦(まさつ)した...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...』酋長はしばしば下層者を極めて無慈悲になぐりつける2)...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...無慈悲に突っ刎(ぱ)ねるような男に...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...わかつたかい?」そう云いながらその男はさきほどあんなに無慈悲にぶんなぐつた頭を恐れげもなく軽く叩いた...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...無慈悲にして心至らねば...
和辻哲郎 「埋もれた日本」
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