...他人の罪過を無慈悲に責めないと云ふ意味に於いても...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...彼ら植物群の本能イズムとそのエネルギーは、人類が従来積上げたあらゆる文化力や防衛力を笑殺し、無慈悲に蹂躙し、そして無残に破壊して行く...
海野十三 「予報省告示」
...交通機関はつねに無慈悲にまで個人の感情に没交渉である...
谷譲次 「踊る地平線」
...――といふよりも無慈悲に...
種田山頭火 「其中日記」
...無慈悲に摘発して...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...その滑稽(こっけい)な点をも無慈悲にえぐり出した...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...愚かな動機によって彼を無慈悲にも大佐から引き離し...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...(ことに)物理の原則に因(よ)って無慈悲に運行し情義なく発展する太陽系の歴史を基礎として...
夏目漱石 「思い出す事など」
...無慈悲にも頭へ尿(ピピ)までひっかけた...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...最も無慈悲に行われる...
平林初之輔 「昭和四年の文壇の概観」
...けれど私達が本寺の前に到着するや、思ひがけなくも、一陣の風が、竝はづれた巨人のやうに、天使の一角を曲つて來ながら、私達の間を、無慈悲に、鋭く、身を切るやうに、吹き過ぎて行つた...
堀辰雄 「日時計の天使」
...『生れたばかりのいたいけな嬰児が無慈悲にも波に投ぜられる時...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...無慈悲に突っ刎(ぱ)ねるような男に...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...連中の罪悪は徹底的に無慈悲に追求される必要があります...
三好十郎 「廃墟(一幕)」
...間もなく電燈が無慈悲に一燈ものこさずに消された...
室生犀星 「神のない子」
...冷淡に無慈悲に見える町の狭い往来を逃れ出て...
シュミットボン Willhelm Schmidt-Bonn 森鴎外訳 「鴉」
...綱が無慈悲にしまつてきて...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...いかに無慈悲に扱っていたかを...
吉川英治 「新書太閤記」
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