...獨身の老人には無慈悲に取りつくあの錆ついた融通の利かない習癖に煩はされずに濟んでゐた...
アーヴィング 高垣松雄訳 「クリスマス・イーヴ」
...無慙(むざん)にも無慈悲にも余の生命(いのち)より貴きものを余の手よりモギ取り去りし時始めて予察(よさつ)するを得たり...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...無慈悲にもことごとく生命を奪つたといふことだ...
薄田泣菫 「独楽園」
...無慈悲にも縦横に曳きずり歩いた少年の頃の私みづからの姿だ...
薄田泣菫 「独楽園」
...萬一敵に見出されてもあながち無慈悲には扱うまい...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...無慈悲に摘発して...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...なお無慈悲に言いつづけた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...平穏なしかも恐ろしいしかも無慈悲にもひとり満足せる精神である...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...あくる日になると太陽は無慈悲にも赫奕(かくえき)として窓を照らしている...
夏目漱石 「野分」
...無慈悲に破壊したのは...
夏目漱石 「道草」
...殘忍無慈悲に鐵則されてる...
萩原朔太郎 「宿命」
...無慈悲にも頭へ尿(ピピ)までひっかけた...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...けれど私達が本寺の前に到着するや、思ひがけなくも、一陣の風が、竝はづれた巨人のやうに、天使の一角を曲つて來ながら、私達の間を、無慈悲に、鋭く、身を切るやうに、吹き過ぎて行つた...
堀辰雄 「日時計の天使」
...』酋長はしばしば下層者を極めて無慈悲になぐりつける2)...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...『生れたばかりのいたいけな嬰児が無慈悲にも波に投ぜられる時...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...これに乘りますからと無慈悲に昇降臺に乘つてしまひ...
室生犀星 「はるあはれ」
...わかつたかい?」そう云いながらその男はさきほどあんなに無慈悲にぶんなぐつた頭を恐れげもなく軽く叩いた...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...どんなに無慈悲にタタキ落して行きましたことか……...
夢野久作 「少女地獄」
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