...獨身の老人には無慈悲に取りつくあの錆ついた融通の利かない習癖に煩はされずに濟んでゐた...
アーヴィング 高垣松雄訳 「クリスマス・イーヴ」
...他人の罪過を無慈悲に責めないと云ふ意味に於いても...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...無慙(むざん)にも無慈悲にも余の生命(いのち)より貴きものを余の手よりモギ取り去りし時始めて予察(よさつ)するを得たり...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...無慈悲にも永久に彼から離れ去つた父をもとめて...
薄田泣菫 「独楽園」
...依然として無慈悲に輝いていて...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...交通検閲はつねに無慈悲にまで個人の感情に没交渉である...
谷譲次 「踊る地平線」
...萬一敵に見出されてもあながち無慈悲には扱うまい...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...その滑稽(こっけい)な点をも無慈悲にえぐり出した...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...愚かな動機によって彼を無慈悲にも大佐から引き離し...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...無慈悲に灼きつけていた...
中谷宇吉郎 「露伴先生と神仙道」
...無慈悲にも頭へ尿(ピピ)までひっかけた...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...無慈悲に淘汰されてゆく...
平林初之輔 「昭和四年の文壇の概観」
...無慈悲にも彼に文科をすゝめた...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...無慈悲に突っ刎(ぱ)ねるような男に...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...これに乘りますからと無慈悲に昇降臺に乘つてしまひ...
室生犀星 「はるあはれ」
...冷淡に無慈悲に見える町の狭い往来を逃れ出て...
シュミットボン Willhelm Schmidt-Bonn 森鴎外訳 「鴉」
...わかつたかい?」そう云いながらその男はさきほどあんなに無慈悲にぶんなぐつた頭を恐れげもなく軽く叩いた...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...いかに無慈悲に扱っていたかを...
吉川英治 「新書太閤記」
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