...無心に咲いてる花のようなおもむきが...
伊藤左千夫 「廃める」
...Oは他人を通じてのその無心にはいっさい耳を傾けませんでした...
伊藤野枝 「ある男の堕落」
...無心に眺め廻すのではなく...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...この問に対しても無心に頷いたが...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...こんどは蟹の脚をかりりと噛んで中の白い肉を指で無心にほじくり出し...
太宰治 「右大臣実朝」
...ただ無心にお喜びになつていらつしやつたのは...
太宰治 「右大臣実朝」
...そこには数百の烏が無心に唖々と鳴いて遊んでいる...
太宰治 「竹青」
...嬰児は無心に手の中でぐびぐびと動いていた...
田中貢太郎 「鍛冶の母」
...自分は父の机の前に足と投出したままで無心に華車(きゃしゃ)な浴衣の後姿から白い衿頸(えりくび)を見上げた時...
寺田寅彦 「やもり物語」
...それとも無心にか...
豊島与志雄 「理想の女」
...財物の無心に参ったのではござらぬという安心を...
中里介山 「大菩薩峠」
...小野さんは捩(ね)じ上げた五分心(ごぶじん)の頭を無心に眺(なが)めている...
夏目漱石 「虞美人草」
...非我の事相を無我無心に観察する能力は全く発達しておらなかったらしいと思います...
夏目漱石 「創作家の態度」
...「それがおれの運命だとしたらしようがない」と彼は殆ど無心に答えた...
堀辰雄 「菜穂子」
...無心に草を食べてゐた牛とが...
堀辰雄 「牧歌」
...なおも無心に素朴に暮している...
柳宗悦 「民藝四十年」
...無心に睡っている小さな顔の女は意外に若々しく...
山川方夫 「愛のごとく」
...津軽訛りの唄を無心にうたいながら...
山本周五郎 「あだこ」
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