...舌の両脇に流れてくる白き唾とを暫くは無心に見詰めていたが...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...無心に流れて、そうして、軍人第一年生...
太宰治 「散華」
...無心に軽く天の潮路のままに進むのだ...
太宰治 「パンドラの匣」
...乙彦が無心に爪で千切(ちぎ)りとった痕(あと)まで...
太宰治 「火の鳥」
...ここで画架を立てて二時間余りを無心に過ごした...
寺田寅彦 「写生紀行」
...ただ無心に眺めてるような風だった...
豊島与志雄 「山吹の花」
...無心に歌われる歌詞を聞いていると...
中里介山 「大菩薩峠」
...お金を無心にやられたのだともいうし...
長谷川時雨 「田沢稲船」
...無心にピアノを弾(ひ)いていた少女の群れまでが加わって来たのだった...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...相手が無心に湯に浸(つ)かっているところを...
牧逸馬 「浴槽の花嫁」
...いかに耶蘇崇拝家でも癇の虫があるからこれには全然従われぬと見え、様々にこれを曲解しているが、無心に見れば、個人を蔑視した暴論である...
正宗白鳥 「論語とバイブル」
...源氏は無心によく眠っていた姫君を抱き上げて目をさまさせた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...無心によく眠(ね)入っていた中の君を思うと...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...「民衆の手で民衆のために無心にたくさん作られた日常用の雑具」という意味である...
柳宗悦 「工藝の道」
...無心に睡っている小さな顔の女は意外に若々しく...
山川方夫 「愛のごとく」
...子供たちが無心に遊んでゐる...
吉川英治 「折々の記」
...阿斗は無心に寝入っていて...
吉川英治 「三国志」
...これはぼくらが無心にやっている童戯といえ...
吉川英治 「随筆 新平家」
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