...私は兄の所へ無心に行くより仕方がないのでした...
江戸川乱歩 「双生児」
...舌の両脇に流れてくる白き唾とを暫くは無心に見詰めていたが...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...無心に笑っていた...
太宰治 「あさましきもの」
...ただ無心にお喜びになつていらつしやつたのは...
太宰治 「右大臣実朝」
...ただ無心にお洗濯をたのしんでいるのだ...
太宰治 「作家の手帖」
...すいすいと伸び出してる草の芽を無心に掴み取りながら...
豊島与志雄 「父母に対する私情」
...知らずして無心に発する囈語の連続...
中里介山 「大菩薩峠」
...無心にその声に耳を傾けるのみであッた...
久生十蘭 「湖畔」
...終戦の日にあげた意味深長な日の丸の旗が無心にヒラヒラひるがえっている...
久生十蘭 「だいこん」
...無心に空を見あげながら...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...そんなにも無心に描かれはしなかったろうと思われました...
堀辰雄 「「美しかれ、悲しかれ」」
...いままで無心に草を食べてゐた牛がふいとそれを止めて...
堀辰雄 「牧歌」
...無心に眠っているのにね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...何かわけのわからぬ鼻唄を無心にフンフンとやりながら麦畑のウネをヒョコリヒョコリと越えて穂波の中にもぐり込んで行き...
三好十郎 「おりき」
...ただ今ではこちらから何かと御無心に出したりもいたしております」「そんなことがありましたかどうだか私に覚えはないようです...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...無心に書きとめようとしても...
吉川英治 「大岡越前」
...今の無心に出た十八公麿の声は...
吉川英治 「親鸞」
...無我――から無心にまで澄んでゆくように...
吉川英治 「親鸞」
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