...お小遣(こづかい)の無心に来て...
泉鏡花 「歌行燈」
...無心に睡っている大隅学士の身体が横たわっていたのである...
海野十三 「地球盗難」
...疲れてまったくの無心になって空腹を感じて家路を急ぐのである...
相馬泰三 「田舎医師の子」
...雲の無心にして岫を出づるが如き也...
高山樗牛 「美的生活を論ず」
...無心に軽く天の潮路のままに進むのだ...
太宰治 「パンドラの匣」
...無心に明日へのびようとするけんめいさが感じられる...
壺井栄 「二十四の瞳」
...天体を無心に賞歎しながら溝に落ちたと伝えられる(タレスは併し実はもっと実際的な技術家であったように見える...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...今でも時々無心に来る女房のお皆(みな)も薄々は知っております...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お金を無心にやられたのだともいうし...
長谷川時雨 「田沢稲船」
...相手が無心に湯に浸(つ)かっているところを...
牧逸馬 「浴槽の花嫁」
...じつに無邪気に無心に笑えた...
正岡容 「わが寄席青春録」
...いかに耶蘇崇拝家でも癇の虫があるからこれには全然従われぬと見え、様々にこれを曲解しているが、無心に見れば、個人を蔑視した暴論である...
正宗白鳥 「論語とバイブル」
...無心に眠っているのにね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...彼らの無心において...
柳宗悦 「工藝の道」
...前者は無心に作られ...
柳宗悦 「工藝の道」
...無心に眠っていたお燕は...
吉川英治 「大岡越前」
...子供たちが無心に遊んでゐる...
吉川英治 「折々の記」
...そのうらみを、後々まで、地方の子等は、無心に、謡っていたものとみえる...
吉川英治 「平の将門」
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