...無心にして唯中(あた)りを待ちけるに...
石井研堂 「大利根の大物釣」
...お小遣(こづかい)の無心に来て...
泉鏡花 「歌行燈」
...嬰児は無心に手の中でぐびぐびと動いていた...
田中貢太郎 「鍛冶の母」
...自分は父の机の前に足と投出したままで無心に華車(きゃしゃ)な浴衣の後姿から白い衿頸(えりくび)を見上げた時...
寺田寅彦 「やもり物語」
...金の無心にやられたこと...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...無心に足を運ばせて行くだけのものです...
中里介山 「大菩薩峠」
...その波がしらに向って無心に演説を試みはじめたのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...知らずして無心に発する囈語の連続...
中里介山 「大菩薩峠」
...小野さんは捩(ね)じ上げた五分心(ごぶじん)の頭を無心に眺(なが)めている...
夏目漱石 「虞美人草」
...ノメノメと無心に行くさうでございます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...美しい一匹の牝と無心に戯れていた...
久生十蘭 「海豹島」
...……私はさうやつて無心に數丁ほど歩いてゐるうち...
堀辰雄 「春日遲々」
...「……」大きく息を吸いながら小圓太は無心に竹箒の先を動かしていた...
正岡容 「小説 圓朝」
...源氏は無心によく眠っていた姫君を抱き上げて目をさまさせた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...いまはただ無心に続けるものを続けてしただけであった...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...前者は無心に作られ...
柳宗悦 「工藝の道」
...無心にできること...
柳宗悦 「工藝の道」
...尚も無心に素朴に暮してゐる...
柳宗悦 「雑器の美」
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