...二人がいかにも無心に赤々とした頬(ほお)をしてよく寝入っているのを見窮めると...
有島武郎 「或る女」
...無心に睡っている大隅学士の身体が横たわっていたのである...
海野十三 「地球盗難」
...無心に流れて、そうして、軍人第一年生...
太宰治 「散華」
...刹那(せつな)を信じることできる?」Kは少女のように無心に笑って...
太宰治 「秋風記」
...そこには数百の烏が無心に唖々と鳴いて遊んでいる...
太宰治 「竹青」
...ぼくはそんな妻の復讐心(ふくしゅうしん)に自分の才能を無心に誇っては噛みつかれ...
田中英光 「さようなら」
...無心になって遊んでいる...
知里真志保 「生きているコタンの銅像」
...ある時電車で子供を一人連れた夫婦の向かい側に座を占めて無心にその二人の顔をながめていたが...
寺田寅彦 「自画像」
...二人でだまって無心にこの絵を見ていたらだれかが「清香(きよか)さん」とあっちのほうで呼ぶ...
寺田寅彦 「竜舌蘭」
...それを無心に眺めながら言った...
豊島与志雄 「化生のもの」
...今でも時々無心に來る女房のお皆も薄々は知つて居ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...無心に罪人を指してしまったのでございました...
浜尾四郎 「殺された天一坊」
...茶盆の上の急須に無心に湯をつぎながら...
水野仙子 「女」
...無心に立っている...
三好十郎 「胎内」
...子供のように無心に貝殻を拾い集めることに打ち興じたり...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...陽(ひ)は無心に似て...
吉川英治 「新書太閤記」
...そして、十八公麿(まつまろ)の頭(つむり)をなでて、「うれしいか」「はい」十八公麿は、無心にいう...
吉川英治 「親鸞」
...無心にして何の表情をも含まないとともに...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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