...日は無心に木犀(もくせい)の匂を融かしてゐる...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...汽車は無心にゴロゴロと唸(うな)りながら過ぎ去った...
李光洙 「愛か」
...この問に対しても無心に頷いたが...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...無心に眠る娘の顔や...
谷崎潤一郎 「刺青」
...無心に眠り続けていた...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...殆んど無心に人形のような笑顔をしました...
豊島与志雄 「落雷のあと」
...朴訥(ぼくとつ)な土地の者の口から無心に語り出でられようとする情味を...
中里介山 「大菩薩峠」
...舌の両脇に流れてくる白き唾とをしばらくは無心に見つめていたが...
夏目漱石 「倫敦消息」
...「富士絹ね」と無心にぽつりと言った...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...そんなにも無心に描かれはしなかったろうと思われました...
堀辰雄 「「美しかれ、悲しかれ」」
...無心に眠っているのにね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...コルシカ人のフランスに対する復讐的虚無心にもえた弟たち妹たちの愚行と次第につのるナポレオンの好戦慾...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...大海の浜辺で無心に遊んでいる幼児を歌ったのが有ったが...
三好十郎 「恐怖の季節」
...尚も無心に素朴に暮してゐる...
柳宗悦 「雑器の美」
...それともまったく無心にそうするのか...
山本周五郎 「追いついた夢」
...当惑して一宿の御無心に参ったのでござりますが……」「まあ...
吉川英治 「江戸三国志」
...無心に息づく度に...
蘭郁二郎 「鱗粉」
...無心にして何の表情をも含まないとともに...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??