...こんどは蟹の脚をかりりと噛んで中の白い肉を指で無心にほじくり出し...
太宰治 「右大臣実朝」
...無心に答えるのである...
太宰治 「ろまん燈籠」
...いつもの通りの銅色(あかがねいろ)の顔をして無心に藻草の中をあさっている...
寺田寅彦 「嵐」
...この娘はスープの無心にまで来るくせに...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...彼は無心に眺めやりながら...
豊島与志雄 「自由人」
...無心に聞き入りながら...
豊島与志雄 「初秋海浜記」
...俺の方へ無心に向けられていた母の眼じゃないか...
豊島与志雄 「猫捨坂」
...小野さんは捩(ね)じ上げた五分心(ごぶじん)の頭を無心に眺(なが)めている...
夏目漱石 「虞美人草」
...無心に鼻毛を拔いてゐるのでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...無心に早苗の方を見てにつと笑つた...
林芙美子 「風媒」
...父ちやん脊中を洗つてお呉れと太吉は無心に催促する...
樋口一葉 「にごりえ」
...茶盆の上の急須に無心に湯をつぎながら...
水野仙子 「女」
...無心にサツのかんじょうをしていた花岡は...
三好十郎 「胎内」
...彼らの無心において...
柳宗悦 「工藝の道」
...それともまったく無心にそうするのか...
山本周五郎 「追いついた夢」
...当惑して一宿の御無心に参ったのでござりますが……」「まあ...
吉川英治 「江戸三国志」
...無我――から無心にまで澄んでゆくように...
吉川英治 「親鸞」
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