...その一例に府下駒込の無名氏より...
井上円了 「おばけの正体」
...そうかと思えば、貧者の一灯、長者の万灯、太平洋横断飛行に、東京、無名氏より、金一万円寄附の記事が、同じ新聞に掲げられる...
辰野九紫 「青バスの女」
...」私は申込書を手にとって、『無名氏、五〇〇〇』と書きこんだ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...その無名氏なるものがカイザー・ウィルヘルム二世であることが誰にも想像されるようにペンク一流の婉曲(えんきょく)なる修辞法を用いて一座の興味を煽(あお)り立てた...
寺田寅彦 「ベルリン大学(1909-1910)」
...双方とも無名氏の文字それ自身が興味の眼目である...
夏目漱石 「手紙」
...十二好奇心に駆(か)られた敬太郎(けいたろう)は破るようにこの無名氏の書信を披(ひら)いて見た...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...しかも無名氏って言うんですからね...
平林初之輔 「華やかな罪過」
...ある日無名氏より「荷物濡(ぬ)れた東に帰れ」との電報あり...
福田英子 「妾の半生涯」
...惜むらくは無名氏のわたくしに捷径を示したのは...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...疇昔の日無名氏があつて...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...次に逍遙子はシエクスピイヤを論ぜし無名氏の語にて圓滿なる意味にての模倣といへるを紹介せり...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...次に逍遙子はシエクスピイヤを評せし無名氏が用ゐし「レアル」の語を實と譯し...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...無名氏はプラトオ論者なりといへば...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...かのシエクスピイヤを評せし無名氏の實とはしがたし...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...無名氏の想即プラトオの理想にあらざるは...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...ただちに全国に普及させた無名氏の智能は敬服すべきである...
柳田国男 「木綿以前の事」
...同時に無名氏の論策や研究によって世に認められようという機会は遮断せられた...
柳田国男 「予が出版事業」
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