...そしてだまされたものの罪は、ただ単にだまされたという事実そのものの中にあるのではなく、あんなにも造作なくだまされるほど批判力を失い、思考力を失い、信念を失い、家畜的な盲従に自己の一切をゆだねるようになつてしまつていた国民全体の文化的無気力、無自覚、無反省、無責任などが悪の本体なのである...
伊丹万作 「戦争責任者の問題」
...泡鳴氏の云ふことが何処までも自分と云ふものから離されずに何時でも自分を最上のものとして考へる処は理智の力で自分を取静めることの出来ない無反省な人であるからだと思ひます...
伊藤野枝 「妾の会つた男の人人」
...先に述べたような私の世界崩壊説に反対意見を持っている学者たちの無反省な卑怯な行動により...
海野十三 「放送された遺言」
...殊に彼らの無反省な本能主義は...
海野十三 「予報省告示」
...無反省...
太宰治 「女生徒」
...生の直接なる享受を無反省に追及し...
田辺元 「メメント モリ」
...じっさい瑞西(スイツル)では、どの牛も、牛になるよほど以前に殺されてしまうのであろうと思われるほど、さかんに、無反省に、犢(コウシ)の肉を出す...
谷譲次 「踊る地平線」
...身の安全のために節を無反省に売ったものに対するけがらわしさを覚えた...
本庄陸男 「石狩川」
...彼奴は無反省な馬鹿な女だから...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...頭腦の惡い人間よりもより多く無反省な人間を憎み...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...餘りに無反省なその心事を不愉快に思つたのである...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...無責任無反省で、且つ自慢さうに演じてゐるのが氣に喰はなかつた...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...自己の無反省な慾望の築き上げた塔に...
宮本百合子 「男…は疲れている」
...その伸子に相対する夫は珍らしく「無反省的」な――というよりも精神的にひどい盲点を持った人間として描かれているために...
三好十郎 「恐怖の季節」
...恐るべき無反省と...
三好十郎 「恐怖の季節」
...凡そ万葉集一般の歌境の特性は、その流露的な、素樸な、無反省な、純真な若々しい、詩情としては全くうぶな情操と、これを盛るに恰も適した温潤雅健な時代言語との、全く奇蹟的な出会ひの上に成立つてゐるものといつてもよからう...
三好達治 「万葉集の恋歌に就て」
...浅薄でも無反省でも...
山本周五郎 「新潮記」
...こ奴は知性がないと言われる無反省も文化というものの中にはある...
横光利一 「スフィンクス(覚書)」
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