...最も無力なる私は私自身にたよる外の何物をも持っていない...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...本当にまだ無力な幼稚な自分の名があまりに世間的に知られる事が恐いのと同時に...
伊藤野枝 「成長が生んだ私の恋愛破綻」
...さびしく無力なのだから...
太宰治 「葉桜と魔笛」
...かの無力な理論をしてその虚偽を暴露せしめ得るような論理的真理を有つ...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...そしてお説教はいつも実際上の必要の前には殆んど全く無力なのだから...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...唯だ其の無能無力なるが為めのみ...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...それはあらゆる創造者にたいして無力な者どもが順々に使用していったもので...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...無力なるものです...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...科学はそして大抵の学者もまた案外無力なものである...
中谷宇吉郎 「千里眼その他」
...三十幾人の無力な護衛たちは...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あわれな無力な人間が勝手の行動を取るという事はおそろしいことですよ...
浜尾四郎 「正義」
...友もなく知人もない孤独無力なじぶんが阪井を相手に争うなどということはかんがえるさえ無意味であるばかりか...
久生十蘭 「ハムレット」
...一政党の勢力下に身動きも出来ぬ卑屈無力なる市当局への批難が湧き上って来た...
火野葦平 「糞尿譚」
...自分の率いる無力な一小隊などは木葉微塵(こっぱみじん)に吹き飛ばされてしまうだろうことも...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...無力な教師は、顔をしかめてぼんやりしていた...
本庄陸男 「白い壁」
...いくら過激派でも、あの何も知らない、無力な、温順なツアールとその家族に対して、そんな非常識な事を仕掛ける筈はあり得ない……と心の中(うち)で冷笑していたのです...
夢野久作 「死後の恋」
...――宮は無力な落人(おちゅうど)にすぎない...
吉川英治 「私本太平記」
...不遇無力な自分を...
吉川英治 「新書太閤記」
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