...さだめし御心中には少斎石見の無分別なる申し条をお恨み遊ばされしことと存じ上げ候...
芥川龍之介 「糸女覚え書」
...殿樣の心持も判らぬ此際無分別な事をやつては...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...無分別な残忍な顔つきをしている...
チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「グーセフ」
...あまり無分別なことをして病気にでもなったら...
近松秋江 「霜凍る宵」
...その頃――つまりあの無分別な青春の頃にも...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...決して早まった無分別なことをしないように……...
豊島与志雄 「或る女の手記」
...無分別な父へつきました不孝者――」「いいや...
直木三十五 「南国太平記」
...この少年時代の無分別な視力の濫費(らんぴ)に原因するとさえ言われている...
野村胡堂 「楽聖物語」
...何だつてそんな無分別な事をするんだ」平次は素つ裸のまゝで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そんな無分別なことを果してしたものだろうか...
長谷川時雨 「柳原※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子(白蓮)」
...男性としての無分別な本性が――野卑で...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...私がそこですぐさま向う見ずに跳びこんでいった無分別な愚行の渦(うず)は...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「ウィリアム・ウィルスン」
...たまたま葉茶壺やありとも知らで行く嵐 宗因天も酔りげにや伊丹(いたみ)の大灯籠 同白露や無分別なる置き処 同蛇柳や心のみだれ飛鳥(あすか)風 露草の如きありといへども...
正岡子規 「古池の句の弁」
...鳩摩羅迦葉尊者(くまらかしょうそんじゃ)が無分別な者にかなわぬという譬喩に引いたのだが...
南方熊楠 「十二支考」
...いかに無分別なる業をなしとぐるかを...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...僅かな地境の争いなどを老中に訴え出るほど涌谷どのは無分別な人ではございません...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...無分別な事でも仕出かしてくれなければよいが」という物思い……...
夢野久作 「鼻の表現」
...敢(あ)えなく死なさせるような無分別なお人とも思われない)と...
吉川英治 「新書太閤記」
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